池畑慎之介(ピーター)が語る「一人で生きる」ための秘術 「知り合い」の断捨離とご近所付き合い
人生100年時代においては、誰もが独居となる可能性を抱えている。高校1年生から現在まで53年間一人暮らしをしている池畑慎之介(ピーター)が語る「おひとりさま」として生きていくための知恵とは。
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私は「ひとり上手」なのかもしれません。
なにしろ、高校1年生で家を出てから53年もひとり暮らしをしていますからね。だから、「ひとりで寂しくない?」とよく聞かれますけど、全く感じたことがない。それは私が、誰か人がいると気を遣ってしまう性格だからかもしれませんね。ひとりでいる時が一番癒やされるんです。
そんな性格だからか、最近では連絡先の整理も始めました。この年になると亡くなった知り合いの方も多いし、何年も連絡を取っていない人を友だちといえるのかなと思って。だから、そういう人の携帯番号は消してしまいました。
だいたいみなさん、自分と付き合いがある人が100人いたとして、そのうちの80人くらいは「知り合い」で、「友だち」と呼べるのは20人くらいの割合なんじゃないですか? 私の場合、芸能界に千人は知り合いがいるかもしれないけれど、友だちと呼べるのは本当に一握りですからね。
連絡先に限らず、他にも「断捨離」を進めています。昔は家中に物が溢れていました。4LDKの家だとしたら、3部屋は服や書類で倉庫のように使っていたほどです。
でも、コロナ禍で改めて自分の中に疑問が湧いてきたんです。経済的にも精神的にも、あらゆる面でみなさんが大変な思いをしている。そういう状況で、自分は果たしてこんなに物を溜め込んでいる必要があるのだろうかと。
例えば写真。アルバムが段ボール何箱分もあって本当に困っていたんですが、写真って、意外と同じような瞬間の別カットが何枚もあったりするもの。だから、その中でお気に入りの1カットだけをスマホで撮影して保存し、処分する。そもそもアルバムの整理って、台紙に貼り付けたりして結構面倒くさいものだったということに気づき、今はその作業の煩(わずら)わしさからも解放されました。
住居にこだわり、筋トレはしない
ひとり上手で、おひとりさまの生活が快適な私にとって、とりわけ大事なのは衣食住の「住」です。24時間快適に暮らせる住環境は譲れません。「衣食住」でなく、「住食衣」という感じですかね。
今年(2021年)の夏、神奈川県に完成した新居もいろいろとこだわりました。屋上にテラスを作って、そこからは富士山と海が眺望できる。できるだけ開放的な空間にしたくて、天井の高さを3メートルにしたところも気に入っています。
これからのことを考えてエレベーターも付けました。将来、車椅子になっても大丈夫なようにと。前の家に住んでいた時に人生で初めて骨折したんです。足首を折ってしまったせいで松葉杖生活を余儀なくされたんですが、前の家は螺旋階段があって、そこを昇り降りするのはかなり大変でしたからね。
肉体的にはもちろん衰えを感じます。でも、筋トレはしていません。一時期やっていたんですが、続かなくて止めちゃった。身体を鍛えるといっても、続かなければ何の意味もありませんよね。今はもっぱらゴルフで身体を動かしています。週2回くらいかな。コロナ禍では、ゴルフって一番良い余暇の過ごし方ではないかと思うんです。なにしろ、広い屋外で密になりにくいからクラスターの心配がない。
他には、ひとりで元気に生きていくために睡眠を大事にしています。たとえ途中で目が覚めてしまったとしても、1日8時間は必ずベッドに横になって、身体を休めるようにしているんです。
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