「ものまねグランプリ」で審査員の人選に異論噴出 適材適所でないと痛い目に遭う?

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若年視聴層を狙った人選

 民放キー局でバラエティ番組の制作に携わるスタッフは、「コア視聴率を取るための人選が裏目に出た格好です」と分析する。

「日テレは、13歳から49歳の男女の視聴率を独自に設定し、『コアターゲット』とし力を入れることをいち早く発表しました。いわゆるファミリー層と重なることが多く、購買力が強いとされています。ものまねグランプリの審査員の顔ぶれを見てみると、女子レスリング選手の須崎優衣さんはゲスト枠なので除外するとして、舞台で活躍する荒牧慶彦さん、乃木坂メンバーの堀未央奈さん、モデルで女優の大友花恋さん、そして、なえなのさんは10代から20代前半の視聴者を意識した審査員でしょう」

 しかしながら番組には、モノマネタレントが昭和に流行した曲をベースに芸を披露する場面もあった。若い審査員がこうしたモノマネをどこまで理解できたか、SNSでは疑問視する投稿も見受けられた。

「SNSを見ると、荒牧さん、堀さん、大友さんの場合は、ファンの喜びの声も投稿されていました。その分、なえなのさんへの批判が目立ってしまった格好です。ただ、コアターゲットを意識した人選が絶対的に悪いわけではありません。若年層を意識しても、全く批判が出なかった番組もあります。具体的には、日本テレビが23日に放送した『歌唱王~全日本歌唱力選手権~』です」(同・スタッフ)

安易に審査員を引き受けると……

 こちらの審査員も、年齢順にご紹介しよう。湯川れい子(85)、岡本知高(45)、HAN-KUN(42)、しらスタ[白石涼](31)、咲妃みゆ(30)──という具合だ。

「誰にも批判の声が出なかったのは、全員が歌の世界でプロだからです。湯川さんは言わずもがなの作詞家、岡本さんは東京五輪で熱唱した男性ソプラノ、HAN-KUNさんは湘南乃風のメンバー、咲妃さんは元宝塚歌劇団雪組のトップ、そして最もコアターゲットを意識したしらスタさんはユーチューバーですが、ボイストレーニングの動画を投稿しています。出場者の歌唱力を審査するメンバーとして文句なしの人選だったということでしょう」(同・スタッフ)

 これほど審査員の“資質”が話題になっているのは、主に2つの理由があるからだという。

「1点目は、まさしくSNSの発達です。昔は視聴者が違和感を覚えても、お茶の間で家族の間で共有するレベルにとどまったり、学校や職場の友達で話題となったりするだけでした。それが現在では、世界中に向けて発信することができます。2点目は、やはりM-1の功績でしょう。大物の審査員がガチで投票する姿が視聴者に支持され、それがスタンダートになってしまったわけです」(同・スタッフ)

 審査員の顔ぶれが批判されるだけでなく、実際の審査で視聴者が「おかしい」と考えれば、すかさずSNSに投稿されてしまう。安易に審査員を引き受けると、痛い目にも遭う時代になったようだ。

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