日本のオジサンは世界一孤独? 早期死亡リスクがアップ…なぜ男性は社会と繋がれないのか

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男性の会話は情報の交換が中心

 こうした日本の中高年男性と比べると、女性はそもそも「お喋り」に抵抗感がない人が多い。男性が1日平均7千語話すのに対し、女性は2万語という説もあるほど。実際、私の父親は典型的な昭和のサラリーマンで口数が少ない。対して母親は、これまた典型的な昭和の専業主婦で、道端でも電話でもぺちゃくちゃ喋っている。父親はそれを見て「どうしてそんなに意味のないことを延々と喋っていられるのか」と、不思議で仕方がないようです。

 なぜ、コミュニケーションにおいて、このようなジェンダーギャップが生まれるのか。アメリカ・ジョージタウン大学のタネン教授による1990年代のベストセラーには、「女性はラポール(共感)トーク、つまり、社会的所属と感情的つながりを重視するコミュニケーションスタイル、一方の男性はレポート(報告)トーク、つまり、感情を交えることなく、情報を交換することに主眼がある」と書かれています。要は、男性は目的がないと人と話すことができないのに対し、女性は話すこと自体が目的なのです。

コツは「聞き役に徹する」「質問する」

 では、社会的孤立を防ぐためのコミュニケーション力はどうすれば鍛えることができるのか。今日からでも実践できるそのコツは、「聞き役に徹する」と「質問する」。なぜなら、人間は非常に強い承認欲求を持っているからです。聞き、質問し合うことで、お互い承認欲求が満たされ、円滑なコミュニケーションが生まれるのです。

 私は、コミュニケーション下手で嫌われる中高年男性を八つに分類しています。

1-むっつりオヤジ

2-威張るオヤジ

3-ダメ出しオヤジ

4-説教オヤジ

5-昔話オヤジ

6-自慢オヤジ

7-キレるオヤジ

8-文句オヤジ

 以上の円滑なコミュニケーションを阻害する要因の、それぞれの対処法は以下の通りです。

1-挨拶をする

2・3-ほめる

4・5・6-耳を傾ける

7-笑顔を浮かべる

8-お礼を言う(感謝する)

 いずれもごく当たり前のことのように思えますが、「高倉健信奉オジサン」は意外とこれができていません。例えば「ほめる」。自分はいつも部下をほめていると思っている人も多いかもしれませんが、ほめた後に「でも、しかし」と続けていませんか? せっかくほめたのに、その後に注文をつけてしまうと、相手は注文のほうばかりを気にしてしまい、そこにラポール(共感)は生まれにくい。

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