原巨人、V逸も大型補強なし…2022年に抜擢が期待される若手は誰だ!

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 昨年はセ・リーグ3連覇を逃し3位に沈んだ巨人。これまでは優勝を逃すと大型補強を敢行することが多かったが、このオフはFA戦線にも参戦せず、目立った補強は、現時点(1月5日)でアンドリースとウォーカー、ポランコの新外国人選手3人だけだ。シーズン開幕までに動く可能性はもちろんあるが、比較的に静かな動きに終始している。新たに3年契約を結んだ原辰徳監督は、チームを作り替えることを明言しており、レギュラー陣の入れ替えの可能性も高そうだ。そこでポイントになってくるのは将来を担う若手だが、2022年シーズンで抜擢が期待できる選手の有力候補を探ってみたい。【野球ライター/西尾典文】

課題は打撃の確実性

 まず、筆頭候補に挙げられるのが秋広優人だ。昨年のキャンプでは、高卒ルーキーながら紅白戦で結果を残して一軍に抜擢され、身長2メートルという超大型選手ということでも話題となった。結局、シーズンでの一軍出場は、代打での1打席に終わったが、二軍ではチームで2番目となる302打席に立ち、8本塁打を放つなど、“大器の片鱗”を見せている。

 オフには、かつての主砲である松井秀喜がつけた背番号55に変更となったことからも、チームの期待の高さがうかがえる。そのパワーと長打力に注目が集まるが、長いリーチを巧みに使うリストワークの良さが目立つ。力任せではなく、センター中心に鋭い当たりを放つバッティングに非凡なセンスが感じられる。

 若手の大砲候補はチームに少なく、貴重な存在であることは間違いない。二軍での打率は2割台前半と、課題は打撃の確実性だが、もうひとつポイントとなるのが守備だ。

 高校時代は投手としても140キロを超えるスピードをマークするなど、地肩の強さは申し分なく、さらに脚力も備えている。二軍戦ではファーストとサードを守ることが多かったが、シーズン終盤にはセンターでスタメン出場している。出場機会を増やすためにも、積極的に外野の守備力アップに取り組みたい。

高いミート力が持ち味

 若手の野手で、もう1人面白い存在になりそうなのが、秋広と同じ高卒2年目の中山礼都だ。中京大中京では1年秋からレギュラーとなり、2年秋には3番、ショートとして明治神宮大会優勝にも大きく貢献した。

 ルーキーイヤーの昨年は故障で出遅れたものの、夏場以降は二軍でセカンド、ショートのレギュラー格として活躍。9、10月度のファーム月間MVPに輝くなど、44試合に出場して打率.309という見事な成績を残している。高校時代から木製バットを全く苦にしない高いミート力が持ち味で、広角に鋭い打球を打ち分ける。守備に関してもグラブさばきに柔らかさがあり、プロのレベルにしっかりついていくことができている。

 打撃の力強さと堅実さは、まだまだレベルアップは必要だとはいえ、体つきはこの1年で確実に大きくなった印象を受ける。長年、ショートのレギュラーを務めてきた坂本勇人は今年で34歳。完全にベテランと言える年齢になっている。これに加えて、セカンドの一番手である吉川尚輝に故障の多さが目立つだけに、中山を思い切って抜擢するタイミングが出てくることも十分に考えられるだろう。

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