元公安警察官は見た 金大中事件で初の「好ましからざる人物」に認定された韓国一等書記官

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 日本の公安警察は、アメリカのCIAやFBIのように華々しくドラマや映画に登場することもなく、その諜報活動は一般にはほとんど知られていない。警視庁に入庁以後、公安畑を十数年歩き、数年前に退職。9月に『警視庁公安部外事課』(光文社)を出版した勝丸円覚氏に、1973年8月に起きた金大中拉致事件について聞いた。

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 勝丸氏はかつて、公安外事1課の公館連絡担当班に所属していた。当時の主な任務は大使館や総領事館との連絡・調整で、各国の大使館情報に精通していた。...

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