それでも「日本はダメ」と唱え続ける韓国人 絶望的な劣等感が生む「K防疫信仰」

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セウォル号がトラウマ

――でも、韓国は発展しました。

鈴置:名目GDPは日本の3分の1にまで伸びました。韓国の人口は日本のだいたい、2・5分の1ですから、1人当たりではほぼ似た水準になりました。購買力平価(PPP)ベースなら、1人当たりGDPは、2018年に日本を抜いています。

 外交面でも2010年、日本よりも先にG20首脳会合を主催しました。2012年にはこれまた日本よりも先に、核セキュリティーサミットの開催国となりました。

 日本で、米国との関係が悪い民主党が執権した間隙を突いた側面もありましたが、当時の李明博(イ・ミョンバク)政権は「日本より上の一等国になった」と喧伝。国民は大いに溜飲を下げました。

 国力の面では「日本よりも上」と誇るようになった韓国人ですが、今一つ自信を持てなかったのが「民度」でした。その韓国人の心の傷口を広げたのが2014年4月の「セウォル号」沈没事故です。

 このフェリーが沈没した際、修学旅行中の高校生325人を含む乗客433人を置き去りにして船長をはじめ高級船員は船を脱出しました。乗員・乗客の死亡・行方不明者は304人にのぼりました。沈没の一因が過積載であり、それも日常的に行われていたことも明らかになりました。民度の低さを示す典型的な事件でした。

 2015年5月のMERS(中東呼吸器症候群)の流行も、韓国人に民度への自信を失わせました。1万6693人が隔離対象となり37人が死亡するなど、大騒ぎになりました。

 病院内で十分に隔離をしなかったため院内感染が相次いだうえ、隔離された患者も病院から脱走するなど、韓国人にとっては恥ずかしい事件となりました。ことに、アジアで流行したのが韓国だけだったのもそれを加速させました。

劣等感のはけ口が弾劾に

――「我々は民度が低い」とメディアが指摘したのですか?

鈴置:20世紀までならそう書いたでしょうが、21世紀になって「日本を抜いた」ことになった以上、はっきりと指摘したメディアはほとんどありませんでした。内心、そう思った韓国人は多かったでしょうが、国民の夢を壊す勇気のあるメディアはどの国にもあまりないものです。

 そこで「セウォル号」事件では救助が遅かったとして、海洋警察や朴槿恵(パク・クネ)大統領が非難の対象になりました。MERSでは、防疫当局と朴槿恵大統領が批判されました。

 2017年3月に朴槿恵大統領が弾劾されたのも、2016年に「大統領の友人が国政を壟断している」と報じられたのがきっかけでした。が、背景には「セウォル号」や「MERS」があったのです。国民の劣等感のはけ口が、朴槿恵大統領に向かったのです。

 弾劾が決まった途端、韓国紙は左派系だけではなしに保守系も「日本よりも韓国の民主主義の方が成熟した」と誇りました。大統領を弾劾すれば民主的、というのも変な話ですが、韓国人は「権力に従順な日本人に対し、弾劾を求め果敢にデモを敢行した韓国人」という新たな自画像に酔ったのです。

 これ以降、韓国紙は「韓国の方が日本よりも民度が高く、民主主義も成熟している」との前提で書くようになりました。

 今回のコロナ騒ぎでも、政府とメディアはPCR検査キットやK注射器を早急に開発した韓国民間企業を褒め称えました。「政府の指示を守り、冷静に行動したからこそ感染拡大を防げた」と、民度の高さも称賛の対象になりました。

 日本でトイレットペーパーの買いだめが起きた際は「韓国ではそんな事件は起きない。韓日の民度が逆転した」との記事で溢れました。

MERSで負けたがコロナで勝った

 2020年2月3日に横浜に入港したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」で新型コロナの感染者が大量に発生した時、韓国人は「MERSでは負けたが、新型コロナでは勝った」とばかりに日本を見下したのです。

 元・在日韓国人で、この頃は「The Korean Politics」編集長を名乗っていた徐台教(ソ・テギョ)氏は同年2月14日、日本語のツイッターで以下のようにつぶやきました。

・今のダイヤモンド・プリンセス号と同じことを、韓国で、文大統領がやっていたらと考えてみてください。日本のワイドショーはずっ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~と付きっきりで取り上げるでしょう。「韓国検疫崩壊」とか言って。

 徐台教氏は翌2月15日にも、韓国がなぜ日本と比べうまくやっているかをツイッターで説明し、誇りました。以下です。

・韓国政府は4月15日の総選挙を控え、感染拡大への対策において失態が許されないという緊張感があるのも大きい。さらに、過去のSARSやMERSを通じ整備された国家システムがある程度の水準で機能している。
・コロナウイルスに対する日韓の対応の差の一つは、予算投入の差というのは明白。具体的には調べていないが、韓国は1/28の段階で20億円以上を、その後も矢継ぎ早に予算を出し、さらには2000億円を超える予備費の投入も見越している。ニュースにも「~~自治体がコロナに~~億を投入」というのが目立つ。

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