「困難なことを成し遂げる」のネイティブな表現は? 在米医師が教える生きた英語

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 コロンビア大学医学部外科教授であり、ニューヨークのトップドクターとして知られる加藤友朗医師。『ネイティブを動かすプレミアム英会話50』(新潮社)の著者でもある加藤氏が日常で出会う“ネイティブ英語”を紹介。

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 東京のコンビニが来日した五輪リポーターの間で話題になったという話を前回書きました。確かに日本のコンビニはすごい。僕も日本に帰ると必ず一度はコンビニで買って食事をします。なぜそこまで日本のコンビニが発展したのか。その歴史をよく知っているわけではないのですが、各人が自分の持ち場で最高のものを提供しようとする日本人の国民性によるところは大きいかもしれません。つまり、たかがコンビニの食べ物だからとは思わずに極めようとするプロフェッショナリズム。そんな気がします。

 さて今回の表現はpull off。pull offの意味は「何かしら困難なことを成し遂げる」「困難を克服して成功する」という意味です。直訳すれば「引き抜く」「取り外す」ですから、僕の中では大根を畑から引き抜くイメージで、懸命に引っ張ってスポーンと抜ける、そんなふうに理解しています。英語のサイトでブーツを引き抜くイメージと言っているのがありましたが、同じようなことですよね。

 pull offの使い方の例は“It was a very difficult task, but we were able to pull it off in the end.”「それはとても難しい仕事だったが、我々は最終的に成し遂げることができた」や、“The Japan Olympic Team pulled off the most Olympic gold medal victories in its history.”「チームジャパンは史上最多の金メダルをオリンピックで獲得した」や、“They won thanks to the many tremendous saves the goalkeeper was able to pull off in the final match.”「ゴールキーパーのたくさんの素晴らしいセーブで彼らは最終戦に勝利した」などです。

 では練習問題です。(答えは下)

1.日本語に訳すと?

“The Democratic Party was able to pull off a landslide victory in the election.”

2.pull offを使って英語で言うと?

「ワクチン担当大臣は最終的に満足のいく結果をもたらすことができるだろうか?」

加藤友朗(かとうともあき)
コロンビア大学医学部外科教授。東京大学薬学部、大阪大学医学部を卒業後渡米。世界初の多臓器摘出体外腫瘍切除手術を成功させ、ニューヨークのトップドクターとして世界中から集まる患者の命を救う。『ネイティブを動かすプレミアム英会話50』(新潮社)が発売中。

週刊新潮 2021年9月23日号掲載

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