「林芳正」外相の後援会に職員を勧誘で「山口県副知事」を書類送検 背後に“県政のドン”

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 12月23日、山口県の小松一彦副知事(60)と、山口市の幹部職員2人が公職選挙法違反容疑で書類送検された。容疑の内容は、今年10月に行われた衆議院議員選挙に際し、山口3区から立候補した林芳正外相(60)の後援会に入るよう、職員を勧誘したというものである。県庁を舞台にした不正の背景には、地元で“ドン”と称される人物の存在があった。

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 公平中立を求められる公務員は政治活動が制限され、中でも公務員がその「地位」を利用して選挙活動を行うことは禁じられている。県庁内で公務員の「地位」を「利用」した勧誘スキームには、後援会加入のリーフレットが使われたという。

「数百枚、数千枚を議員サイドから県庁サイドに納め、副知事、部次長、副課長という実務を担う指揮系統を通じ、現場の職員に配っていく。そして、妻や両親など家族にも記入してもらい、その紙を再び副知事まで上げていくのです。議員からすると職員の家族も含め後援会員になってくれれば、後援会はがきを送るなどして、票に直結させることができます」(山口県庁OB)

 こうした手法によって当選を果たした林外相が“知らなかった”はずもなく、「何らかの形で県庁から、本人、後援会や自民党県連などにリストが渡るのですから、当然把握しています」(同)。そのことを指し示すように、すでに林氏の地元秘書の一人が当局によって聴取されているという。

 なぜ、こうした不正が可能になったのか。自民党候補者の後援会への勧誘が組織化されるようになったのは、村岡嗣政・山口県知事(49)が1期目の当選を果たした8年ほど前から。先のOBは、

「自民党山口県連の実力者である柳居(やない)さんに知事は全く頭が上がらないのです」

 と語る。

県庁内の恐怖政治

“柳居さん”とは、柳居俊学(しゅんがく)・山口県議会議長(71)を指す。12月初頭に開かれた林外相の「就任祝賀会」の発起人に、村岡県知事と共に名を連ねていた人物で、1991年に山口県議に初当選して以来、2011年から県議会議長を2度務めるなどの経歴の持ち主だ。

 人呼んで、“山口県政の「ドン」”。県庁内では多大なる影響力を持つという。

「とある出世頭だった部長は知事に近く、柳居さんらの意向で外郭団体に飛ばされたこともありました。“そんな人でも”と庁内に衝撃が走った。まさに恐怖政治が敷かれているのです」(地元記者)

 林外相の参院から衆院への鞍替え出馬も、ドンの支援があってこそ。現在発売中の「週刊新潮」新年特大号では林外相との詳しい関係性ほか、選挙違反捜査にちらつく「安倍元首相」の影とともに、事件を詳しく報じている。

週刊新潮 2021年12月30日・1月6日号掲載