「男には仕事と嫁というふたつの賭けがある」…笑福亭仁鶴さんが妻の故郷で挙げた銀婚式 【2021年墓碑銘】

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「さびしがりやでシャイ」

 67年、吉本新喜劇の女優で7歳年下の永隆子さんと結婚。食事をごちそうした御礼に弁当を作ってくれた姿に惚れた。

 多忙で宿泊した方が楽な日程でも家に帰る。

 演芸評論家の相羽秋夫さんは言う。

「恐妻家ではないんです。落ち着くからと、家が好きでした。対外的なことは隆子さんに任せていた。仁鶴さんはさびしがりやでシャイなところもありました」

 子供は授からなかった。

「銀婚式を隆子さんの故郷、壱岐で挙げ、隆子さんは故郷に錦を飾ることができた。仁鶴さんにはこういう温かさがある」(大河内さん)

 だが、2017年に愛妻に先立たれる。気落ちして番組出演から遠ざかった。

 8月17日、血液がんの一種である骨髄異形成症候群のため84歳で逝去。亡くなる2日前にも弟子の笑福亭仁智さんと約2時間も話せた。

 男には仕事と嫁というふたつの賭けがある、と話していた仁鶴さん。双方に恵まれた果報者である。

デイリー新潮編集部

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