文大統領に「国民を経済的理由で死に追いやる政府は善良なふりをした悪魔だ」の声……「ウィズコロナ撤回」でさらなる失政

国際 韓国・北朝鮮

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ソーシャルディスタンス強化措置

 韓国では12月16日の段階で累積感染者数が54万4117人、重篤患者数は989人で、過去最多を記録。ウィズコロナ(段階的な日常回復)の方針を進めていたものの、オミクロン株の感染拡大なども相まって、最近では1日あたり5000~7000人台の感染者が連日報告されていた。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は「やっとの思いで始めた“ウィズコロナ”を後退させることはできない」と言っていたが、方針の撤回を余儀なくされた格好となっている。現地在住・羽田真代氏のレポート。

 文政権がウィズコロナの方針を撤回したことで、12月18日から来年1月2日まで「ソーシャルディスタンス強化措置」が施行される。首都・非首都圏を区分することなく、私的会合はワクチン接種者に限り4人まで、非接種者の場合は会合に参加することは許されず単独利用のみ可となる。

 飲食店・カフェ・銭湯、ジムなどの運営時間は夜9時まで、塾・映画館・カジノ・ネットカフェなどは夜10時までに制限され、集会も参加者が300人を超える場合は原則的に開催禁止となる。

オミクロン株を水際で防げず

 度重なる規制によって行動に制限をかけられた韓国民からは、不満の声が相次いで上げられている。

「自営業者ばかりが苦しい思いを強いられる。一体彼らになんの罪があるっていうんだ? それなら、地下鉄、バス、タクシー、エレベーターなど、全て夜9時までの営業にすべきだ。コロナのためになぜ、自営業者だけ経済的被害を受けなければならないのか理解ができない」

「なぜまた規制するんだ? みんな既にワクチンを接種したじゃないか。コロナにかかって死亡する人がどれくらいいると思ってるんだ? 政府はワクチンの効果がなかったと認めるのか? 国民を経済的理由で死に追いやる政府は善良なふりをした悪魔だ」

 韓国にオミクロン株を流行させたのはある牧師夫婦とされている。彼らは感染リスクの高い国から入国してきたのだが、政府は水際でこれを防ぐことができなかった。韓国の水際対策は日本以上に厳しいはずだったのだが……。

 加えてワクチン接種率についても韓国の方が日本を上回っている。にもかかわらず感染者が増えており、その原因も解明されていない。政府はブースター接種を前倒しさせ、米英独仏などよりも短い間隔での接種を促しているが、感染抑制の切り札となるかは神のみぞ知るという状況だ。

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