日本は北京五輪をボイコットできるのか 専門家は「迅速に態度を表明しないと国際社会で非難される」

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 女性アスリートを巡る不可解極まりない騒動が決着を見ないまま、開幕まで2カ月を切った北京五輪――。

 欧米では五輪式典に首脳や使節団を派遣しない“外交的ボイコット”を模索する声が高まり続けている。台湾と外交関係を強めるリトアニアはすでに不参加を表明。欧州で最も中国に近いとされたドイツや、イギリスも本格的な検討に入り、欧州議会も各国政府を突き上げている。そして、6日には米・バイデン大統領がボイコットを正式発表した。

「アメリカが表明したのは素晴らしいことだと思います。中国から正式に招待された後に断ると面子を傷つけてしまうので、日本はその前に、アメリカに準じて外交的ボイコットを検討する姿勢を示すべきです」

 とは中国事情に詳しいジャーナリストの福島香織氏。

「現段階で日本は“中国が深刻な人権問題を改めない限り、北京五輪への要人の派遣を中止せざるを得ない”と発信するのがいいでしょう。重要なのはメッセージの中身を精査するよりも、とにかく迅速に態度を表明すること。いま打ち出さなければ“中国には民主主義があり、台湾はその領土で、ウイグル人を迫害などしていない”という彼らの言い分を認めることになる。今度は日本が国際社会で非難されかねません」

 東京大学の阿古智子教授も次のように述べる。

「外交的圧力は絶対に必要です。国際的に大きな影響力を有する国である以上、人権や多様性という面で中国が悪い影響を及ぼすことは許されません。五輪を主催するのであれば、選手が不安を抱くことなく競技に集中できる国柄になる必要があります」

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