フジテレビ 春から水曜22時で日テレとドラマ対決 Aクラス入りを目指す社長への期待

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2021年12月19日

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 フジテレビが来年4月からプライムタイム(午後7時~同11時)の連続ドラマ枠を1つ増やすことがデイリー新潮の取材で分かった。新しい連ドラの放送枠は水曜10時台。日本テレビの連ドラ枠にぶつける。また、年明けから希望退職者を募集する最大の狙いも明らかになった。

 現在、フジのプライムタイムの連ドラ枠は3つ。10月期は「ラジエーションハウスII~放射線科の診断レポート~」を放送した月曜午後9時台、「アバランチ」(制作は関西テレビ)の同10時台、「SUPER RICH」の木曜10時台だ。

 フジ社員や制作会社幹部の話によると、来年4月からはこれに水曜同10時台が加わる。連ドラ枠は4つになる。

 水曜午後10時台は日本テレビが1991年から連ドラを放送中。「家政婦のミタ」(2011年)や「Woman」(2013年)を生んだ伝統ある連ドラ枠だ。最近も「ハコヅメ~たたかう!交番女子~」(7月期)、「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~」(10月期)と話題作が続いている。それでもフジは勝機があると踏んだ。

 現在、各民放のプライムタイムの連ドラ枠は日テレが3つ、テレビ朝日も3つ、TBSも3つ、テレビ東京は1つ。フジは来年4月から民放で最多の連ドラ枠を持つことになる。

 それだけでもフジにはメリットがある。話題になる機会が増えるからだ。テレビ番組には報道、情報、スポーツ、バラエティー、連ドラなどがあるが、その中で最も話題になるのは連ドラなのである。

 連ドラは新作が決まったり、始まったり、ヤマ場を迎えたりするたび、話題になる。視聴率が伸び悩み、話題になることが激減しているフジにとって、プラスになるのは間違いない。

 現在、プライムタイムで民放の連ドラがぶつかる放送枠はない。連ドラ対決が始まるのは視聴者にとって悪い話ではない。お互いが対抗意識を持ち、それが質の向上につながる可能性が大きいからである。

過去の連ドラ対決で生まれた名作

 例えば、フジは2010年に「ドラマチック・サンデー」(日曜午後9時)などの連ドラの放送枠を設け、2017年までTBS「日曜劇場」(同)に真っ向勝負を挑んだ。

 この間、「日曜劇場」からは国民的ドラマ「半沢直樹」(2013年)が生まれた。片や「ドラマチック・サンデー」からも東日本大震災直後の視聴者の心を温めた名作「マルモのおきて」(2011年)が誕生した。ハートフル・ホームコメディをあまりつくらない「日曜劇場」は制作できそうにない作品だった。

 金曜午後8時台で激突したのは日本テレビ「太陽にほえろ!」(1972~1986年)とTBS「3年B組金八先生」(1979~2011年)。放送枠が重なった7年間、両作品はシノギを削り、結果的に質の向上につながった。当時の視聴者には観る番組を選ぶ楽しさがあった。

 一方、フジが新設の水曜午後10時台で準備中の第1作も強力。独創的で意外性がある。明るい作品だ。話題になるだろう。日テレも手を拱いていないはずだから、やはり視聴者には見比べる楽しみが生まれそうだ。

 今回、フジがどうして連ドラ枠を新設するのかというと、もちろん目的は視聴率アップ。11月25日に行われたフジ・メディア・ホールディングスの第2四半期決算説明会で金光修社長(67)はこう口にしていた。

「(フジは)増収を図りたい。それには視聴率を効率的に上昇させることが必要」(金光修社長)。

 視聴率を上げるためにレギュラー番組の強化を図るとしていた。その目玉が連ドラ枠の新設だった。

 プライムタイムの連ドラの制作費は1話あたり3000万円でバラエティーよりもかなり高い。それでもバラエティーが「冬の時代」にあることを考え、連ドラ枠新設という選択をしたのだろう。

 今年4月と同10月に始まった各民放のバラエティーはほぼ総倒れに近い。当たっているのは「ヒューマングルメンタリー オモウマい店」(日本テレビ系)くらいなのだ。

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