看護師業界に訪れた「コロナバブル」の闇 沖縄で「約束と違った」と苦情が噴出

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 看護師業界には「コロナバブル」が訪れている。ワクチン接種や軽症者療養ホテルなどで業務にあたる看護師らに対して、高い時給が提示されているためだ。ところが2021年春先からの第4波、第5波で感染爆発がおきた沖縄では、コロナ対応で集められた看護師らの一部から、「当初の採用条件とは違った」などの不満が噴出している。

週5日フルタイム勤務が条件だったはずが週1日勤務の看護師も

「事前に提示された採用条件は、時給3000円で週5日のフルタイム勤務。期間は7月1日から12月頃まででした。だから前職を辞めてまでワクチン接種の仕事を選んだのに、ふたを開けてみたら勤務できるのは週3~4日程度。担当する業務によっては、週1~2日しか入れない人もいました」

 こう語るのは、沖縄県の新型コロナウイルスワクチン大規模接種会場で、ワクチン接種業務に携わった看護師だ。この看護師はもともと福祉施設で働いていたが、今年6月に看護師向け求人サイトにあった「ワクチン大規模接種会場での接種業務」の仕事に応募した。時給が高かったからだ。

 この募集は県の委託業者によるもの。その看護師は応募した際、「採用の条件はフルタイムで働ける人」と言われたことから、福祉施設での仕事は6月末で辞めることにした。

 ワクチン接種会場での業務スタートは7月1日からのはずだった。ところが、ワクチン接種や会場準備が整わなかったという理由で、15日開始へと延期され、その後さらに21日まで延びてしまった。加えて応募が殺到して採用しすぎたのか、いざ業務が始まってからは週5日働くことはできなくなったという。

 多くの看護師が週5日でシフトに入るのを希望していた。そのため、「自分が週3日とか4日のシフトになっていると、週1~2日しか入れていない別の看護師から『なんでそんなに入れるの?』と、言われたりすることもあって居づらかった」とも語る。

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