「ドクターX」大門未知子にはモデルがいた! 脚本家・中園ミホ、医師・加藤友朗が明かす裏側

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アメリカでは普通のフリーランス看護師

中園 あの時にフリーランスのナースの話もお聞きしましたよね。日本にはあまりいないけどアメリカにはフリーのナースが結構いて、皆すごくレベルが高いという。それを聞いた時、「ナースXだ!」と私は喜んでいたと思うんですけど、実際、今シリーズの第5話では、松下奈緒さん演じるフリーランス看護師、那須田灯が活躍します。

加藤 NYではトラベラー・ナースと呼ばれる方たちがコロナ対応で活躍しているんですね。特にICUやER(救急救命室)で働ける資格を持つ看護師が好きな町に行って働く仕組みがあるんです。夏はここ、冬はあそこ、というようにリゾート地を行ったり来たりね。トラベラー・ナースは移動の自由が利くから、一番大変な時にNYに集まって頑張ってくれたんです。

中園 第5話はとても好評だったんです。加藤先生さまさまです。

加藤 僕がアメリカに来た時にはもうフリーランスの看護師はたくさんいましたね。スーツケース一つでいろいろな町を渡り歩くという。

中園 かっこいい! 外科医とは別のドラマとしてまた書きたいですね。

権威にしがみつかない

加藤 中園さんは医療関係のドラマを書くようになって、医療に対する見方は変わりましたか?

中園 私は元々、自分が病気にかかったら、教授のような偉い人に手術してほしいと思っていたんです。でも、取材をすればするほど、加藤先生をはじめとしたスーパードクターは全然偉ぶらないし、権威にしがみつかないということが分かりました。そして、新しいことにずっと挑戦し続けている。実はお年を召した偉い先生は、最初だけ手術に立ち会って途中からゴルフに行っちゃったりとかするそうなんです。本当はその下にいる腕の良い医者がほとんどやっていたりだとか。肩書と実力が反比例していることも珍しくないんですね。なので、私は自分や親戚が手術を受ける時は、実際に手術を受けた人たちの声を聞いてから、徹底的に調べて選ぼうと思っています。

加藤 日本だと教授になって偉くなると逆に手術しなくなるということもありますからね。「ドクターX」の中でも、西田敏行さん演じる蛭間に対して、「あんたも医者だったんだろ」とか「10年もメスを握っていない」というセリフがありましたよね。そういう人も実は結構います。

中園 肩書だけ見て「偉い先生に診ていただいてありがとうございます」となりがちですが、それが実はありがたみのない話だとよく分かりました。

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