球史に残る3つの「大失敗トレード」…巨人は1イニングで“8000万円超”という桁外れの大損

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「金を払って解雇したっていい」

 最後は巨人。交換トレードで失敗したケースは、83年オフの山本功児とロッテ・三宅宗源など数えるほどしかないが、金銭トレードで桁外れの大損をしたのが、96年オフのエリック・ヒルマンだ。

 ロッテで2年連続二桁勝利を挙げた左腕・ヒルマンは、長嶋巨人V2と3年ぶり日本一奪回のキーマンと期待され、年俸2億5000万円の2年契約で入団。シーズン15勝を公約したが、1年目は左肩の違和感を訴え、その後、内視鏡手術を受けたことから、登板わずか2試合の0勝1敗と期待を裏切った。

 翌年も「左肩に(体重280キロ以上の)小錦が乗っているようだ」の“迷言”を吐き、シーズン開幕後も登板できないまま。さらに、肩の再手術を希望し、「完全復帰まで約2年かかる」と悠長な回答をしてきたことから、「金さえ払えば解雇できるんだ。それなら金を払って解雇したっていい」という渡辺恒雄オーナーの「鶴の一声」で5月30日に自由契約となった。2年間で計5億円を払ったのに、通算投球回数はたったの6回。1イニングあたり約8333万円の大散財となった。

 日本人、外国人を問わず、過去の実績が必ずしもバロメーターにならないのも、トレードの難しさである。

久保田龍雄(くぼた・たつお)
1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。最新刊は電子書籍「プロ野球B級ニュース事件簿2021」上・下巻(野球文明叢書)

デイリー新潮編集部

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