岸田首相の引っ越しで振り返るオバケ伝説 「そんなにいない方がいい」と安倍晋三氏、「誰だ!」と叫んだ森喜朗氏

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蛇口を捻ったら「鮮血」

 先に触れたように、テロでおびたただい量の血が流れた場所だけに、この公邸(=元の官邸)や旧公邸(02年に取り壊された)に、怪談はつきものだ。

「終戦記念日の夜、機銃掃射の音や叫び声がするという話は、都市伝説の如く永田町関係者に伝播していますね。鬱蒼とした木々、風、そしてセミのイタズラという指摘も根強くありますが……」

 と、前出のデスク。幽霊ではないが、怪談風のこんな逸話もある。1989年6月、宇野宗佑首相が入居してすぐに「事件」は起こった。主が風呂の蛇口を捻ったら「鮮血」が流れたのだ。公邸は上を下への大騒ぎ……。

「同じ敷地内にあった官房長官公邸に塩川さん(正十郎)が入ったのが原因です。長官公邸はそれまでほとんど使われていなかったので、水道管が錆び付いていた。そのサビが首相公邸の水道管に回って出たというのがオチ。“血”を見たときの宇野さんの驚きようはタイヘンなものだったと聞いています」(自民党のベテラン秘書)

 最後に、派閥・清和会(現・安倍派)で語り継がれてきたという森喜朗元首相のエピソードを披露してもらおう。

森さんが床についたら

 2001年4月26日、総辞職して迎えた公邸最後の夜のこと。

「森さんが床についたら、コツコツと音がしたらしい。で、それが近づいてくる。『誰だ!』って叫んで外に出た。が、誰もいない。警備担当官も『何も視認していない』と答えるだけだった。森さんはその後ずっと、“あそこはネズミもヘビも、そして幽霊も出るんだよ!”と話していましたね」(清和会所属の国会議員)

 結局、安倍氏は公邸に引っ越すことなく、歴代最長政権のかじ取りを続けた。

「『富ヶ谷の私邸付近は渋滞しやすいから引っ越しを』と、警備関係者は官邸にしばしば“陳情”していたのですが、安倍さんは折れなかったですね」(先のデスク)

 岸田首相によってジンクスは破られるか。

デイリー新潮取材班

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