ビッグボス・新庄剛志 超常現象のような珍打球に呆然…現役時代の「宇宙人伝説」

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 日本ハムの新監督に就任以来、“ビッグボス”の愛称で連日楽しさ満載の話題を提供している新庄剛志。思えば、現役時代から“何をやっても絵になる男”として独特の存在感を発揮し、あっと驚くミラクルプレーや奇抜なパフォーマンスの数々でファンを元気にしてくれた。そんな記憶に残る“宇宙人伝説”の数々を振り返ってみよう。【久保田龍雄/ライター】

“無人”の二塁方向に狙い打つと……

 阪神時代の新庄が一躍ブレイクしたのは、プロ3年目の1992年である。主砲・オマリーの故障離脱で1軍切符を掴み、5月26日の大洋戦でスタメン出場すると、シーズン初打席の初球を左翼席に決勝打となるプロ初本塁打。以来、12試合連続安打を記録するなど、“虎のプリンス”の名をほしいままにした。

 圧巻だったのは、ヤクルトとV争いの最中だった9月16日の広島戦。0対0の8回2死満塁のピンチで、新庄は山崎隆造の右中間へのライナーを2メートルダイブのミラクルキャッチで味方のピンチを救うと、9回に大野豊からこれまた鳥肌が立つようなサヨナラ2ランと、“持っている男”の本領を十二分に発揮した。

 新庄が打てば、阪神が勢いづく。ならば、打たせなければいいと“新庄シフト”で対抗したのが、野村克也監督率いるヤクルトだった。93年8月21日の阪神戦、ヤクルト内野陣は、新庄を打席に迎えると、三遊間にセカンド、サード、ショートの3人を配し、一、二塁間をがら空きにした。左方向へ引っ張る打球が多い新庄を封じる奇策だった。

 はたして新庄は、1打席目は力んで捕邪飛。2打席目以降もシフトの餌食となり、まんまと“野村ID野球”の術中にはまってしまう。

 だが、1点を追う9回2死無走者、「あそこがポッカリ空いてましたからねえ」と、“無人”の二塁方向に狙い打つと、通常の守備位置なら二ゴロでゲームセットなのに、右前へ抜ける安打になった。

 ここから“新庄劇場”は、一気にヒートアップする。次打者・オマリーも右翼線安打で続くと、なんと、一塁走者・新庄は、三塁コーチの制止を振り切り、一気に本塁を狙った。

「中継のボールを受けた二塁手(笘篠賢治)がホームへ投げてきそうな気配がありませんでしたからね」

 完全に相手の意表をついた新庄の激走で同点に追いついた阪神は、延長戦の末、7対5で勝利した。

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