元公安警察官は見た 産業スパイだったロシア外交官を追いつめた「強制尾行」とは

  • ブックマーク

 日本の公安警察は、アメリカのCIAやFBIのように華々しくドラマや映画に登場することもなく、その諜報活動は一般にはほとんど知られていない。警視庁に入庁以後、公安畑を十数年歩き、数年前に退職。9月に『警視庁公安部外事課』(光文社)を出版した勝丸円覚氏に、ロシアのスパイを強制尾行した話について聞いた。

 ***

 公安捜査員が行う尾行は、2種類あることをご存じだろうか。相手に絶対バレないように行う“秘匿尾行”と、相手に「見ているぞ」とわからせるように堂々と捜査員を張りつける“強制尾行”だ。...

つづきを読む