新しい時代を担った「松坂世代」の電車7選 いまも現役の箱根登山鉄道「1000形ベルニナ号」

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(5)東京急行電鉄(現・東急電鉄)8090系――ステンレス車体、第2世代初の量産車両

 ステンレス車体の第1世代は1960年代に実用化されていたが、さらなる軽量化を図るため、東急車輛製造(現・総合車両製作所)が第2世代を開発することになった。当時、アメリカのボーイング社では、コンピューターを活用し、有限要素法による3次元解析を採り入れており、鉄道車両に応用した結果、ビート加工平板構造の軽量ステンレス車体を開発した。

 まずは東京急行電鉄の8000系中間車を試作し、1978年12月から営業運転に就かせると、良好な結果を得た。その後、新型車両を開発することになり、1980年12月に8090系が登場。“即戦力”として年の瀬にデビューした。

 当初は“東横線の新しい顔”として君臨するも、東横線のスピードアップ、一部区間の地下化計画などもあり、平成に入ると大井町線にコンバートされた。

 その後は黙々と走り続け、2013年5月に引退。現在は一部の車両が秩父鉄道に移籍し、7500系、7800系として各駅停車の運用に就く。

(6)神戸新交通8000系――日本初の新交通システム開業

 神戸港沖の埋め立て地にポートアイランドを建設し、そのアクセス輸送を担う鉄道が新交通システムとして、1981年2月5日に開業した。電車は無人運転が基本、ゴムタイヤで走行、全駅にガラス張りのホームドアを設置した新感覚の鉄道である。

 当初は9の字型による循環運転だったが、2006年2月2日に神戸空港へのアクセスルートも加わった。しかし、老朽化により2009年11月8日で引退。29年の歴史に幕を閉じた。現在は2両がポートライナー車両基地で静態保存されている。

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