羽生結弦、リモート練習でメダルは獲れる? 専門家は「効率的な練習方法」

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「一人練習」のメリット

 とはいえ、3連覇が決して易き道ではないのも事実。

 まずは現状、五輪前の試合は全日本のみと“試合勘”の点で気になるし、何よりコロナ流行の影響で、ブライアン・オーサーコーチの直接の指導をしばらく受けられていないのも不安材料だ。名伯楽との誉れ高いオーサー氏はカナダ在住。コロナ禍の始まった昨春以来、ぜんそく持ちでもある羽生は感染回避を最優先に、オーサー氏の元には一度も出向かず。直接会えたのは今春の世界選手権など数えるほどだ。

 さるスポーツライターによれば、

「羽生選手はその間、地元・仙台の旧知のアイスリンクを借り切って練習を続けてきました。時には深夜から未明にかけて練習を行い、オーサーにはリモートで指導を受けているとか」

 オーサー氏自身、雑誌のインタビューで、羽生が練習動画を送り、それに対して自分がコメントをしていると述べている。

「振付師にもオンラインで指導を受けているそうです。とはいえ、その場で見ているのと映像とでは、当然、アドバイスにも差は出てくるはず。次にオーサーに会えるのは五輪本番ということになりそうです」(同)

 他方、違った意見も。

「リモート練習自体は今や珍しいものではありませんし、それほどデメリットはないと思います」

 と述べるのは、こちらも元五輪代表の佐野稔氏。

「直接指導と同程度、かなり細かいところまでやり取りできますからね。海外渡航に伴う隔離期間のことを考えれば、遥かに効率的な練習方法だと思います」

 羽生との共著もあるスポーツライターの折山淑美氏も、

「身近にコーチがいないのは確かにデメリットですが、五輪で4回転アクセル成功を目指す羽生選手にとって、他の選手を気にせず集中できる『一人練習』は、むしろメリットに繋がっているかもしれません」

 吉凶どう出るか。

 試練を越え、五輪で3度目の「金」ともなれば、伝説となるに違いないのだが。

週刊新潮 2021年12月2日号掲載

ワイド特集「人間関係愚痴話」より

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