日蓮宗名刹「延命院」土地奪取の裏に仰天の情交スキャンダル 大規模開発計画による地上げが発端

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名義変更

 日蓮宗の名刹「延命院」はJR日暮里駅付近に広大な土地を有している。その西側半分の1680坪に大規模な開発計画が持ち上がったのは20年ほど前のこと。当該土地は商店や民家などに貸し出され、延命院はそこから地代収入を得ていたが、開発のために借地人を立ち退かせなければならない。この地上げを巡る経緯に、仰天のスキャンダルが隠されていた。

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 一時、地上げに協力した延命院の檀家によると、当時の下宮高純(こうじゅん)住職が土木会社「日本造営」の横田昇社長に地上げを依頼。すると横田社長は、「地上げする土地の名義を延命院から自分の会社に変えた方が交渉しやすい」と主張し、高純住職はなぜか、その申し出を承諾した。

 2002年4月、1680坪のうち150坪が日本造営に売却され、04年2月までに他の土地の所有権も順繰りに移された。地上げ目的の名義変更だったはずが、横田社長はすぐさま150坪の土地を担保にしてノンバンクから8億円前後を借り入れている。挙げ句、土地は競売にかけられた。

 以降も、別の不動産業者から立退料の元手という名目で19年9月まで断続的に借り入れが行われ、その返済も滞るようになった。

1円も…

 檀家が横田社長に説明を求めても言葉を濁されるばかり。膠着状態が続いていた昨年7月、延命院の住職が、高純住職の息子に代替わりした。

「今年4月、息子である弘聖(こうせい)住職から、“どうして、いまに至るも日本造営から延命院に、1円の土地売買代金も入っていないのですか?”と問われたのです」

 結局、横田社長は延命院からタダで土地を手に入れたうえ、それを借金のカタにし、主に自らの資金繰りに利用していたと見られる。そもそも、なぜこのような事態となったのか。

 その謎を解く鍵は、檀家の弁護士が後々、東京弁護士会の紛争解決センターに提出した文書に隠されていた。横田社長と延命院の弁護士を相手方とした「あっせん・仲裁申立書」には、〈横田昇は(略)前住職の性的興味を満足させるために、同性間の情交関係を周旋し、それを種にして土地売買契約書を偽造させた〉と記されているのだ。

 つまり、高純前住職に「男性」を紹介したことをきっかけとして、横田社長は名刹の一等地を易々と我が物にしていたのである。(つづく)

週刊新潮」2021年12月2日号「MONEY」欄の有料版では、地上げの裏に隠された事実を詳報する。

週刊新潮 2021年12月2日号掲載

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