若者を重視する「NHK紅白歌合戦」 ニンマリするテレ東「にっぽんの歌」の心配事

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 11月19日、「第72回NHK紅白歌合戦」の出場者が発表された。紅組・白組、合わせて43組、特別企画1組のうち、初出場は10組。果たして、バランスがいいのか悪いのか……。その昔、視聴率80%超を取っていた「紅白」が、“国民的番組”と呼ばれなくなって久しい。

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 昨年の「紅白」の視聴率(ビデオリサーチ調べ)は、関東地区では第1部が34.2%、第2部が40.3%と、かろうじて40%をキープした。もっとも、関西では第1部が32.8%、第2部が39.3%と、大台を割った。民放プロデューサーは言う。

「それでも40%台を記録したのは2年ぶりのことでした。昨年はコロナ禍の巣ごもり需要があったことに加え、史上初の無観客で視聴者の関心もありました。出場者も嵐の見納め、朝ドラの主題歌でGReeeeNの初出演といった話題性、鬼滅の刃ブーム、NiziUブレイク、瑛人『香水』、YOASOBI『夜に駆ける』といった大ヒット曲もありましたから」

 今年の初出場は10組と例年に比べてやや多い。

「とはいえ、動画サイトの歌い手・まふまふやシンガーソングライターの平井大、Awesome City Club、BiSHを知らない大人世代は、少なくないのではないでしょうか」

 ある意味で、注目はBiSHだという。

NHKはわかって選んでいるか

「“楽器を持たないパンクバンド”と呼ばれる6人組ガールズグループのBiSHは、NHKの出場者発表の会見でも、“夢であった紅白に出れてうれしく思います。ありのままを届けられるステージにできたら”と殊勝に語りながらも、メンバーで円陣を組んで放送禁止用語を叫んだ時にはNHKスタッフも驚いたのではないでしょうか」

 そもそもグループ名がBrand-new idol SHiT(新生クソアイドル)の略であり、放送できないような過激な歌詞でも知られる。NHKはそれをわかっていて選んだのか、疑問も残る。

「TikTokやYouTubeといったSNSで話題になったことを根拠に選んでいる節があります。布袋寅泰にしても、今夏の東京パラリンピック開会式のパフォーマンスが話題を呼びましたからね」

 やはり若者の視聴率が欲しいのだろうか。

「ファミリー層、コア層を意識しての人選でしょう。SNS時代になって、若年層の視聴者を増やし、底上げを狙っているのだと思います」

 その割にはジャニーズ枠が減っている。

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