投資額は2兆7700億円 江本孟紀が初めて明かす“女帝相場師・尾上縫”の素顔

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NTT株の束

 会食当日、寺尾氏から教えてもらった住所を頼りに繁華街のミナミに出かけた江本氏は、とある木造3階建ての小料理屋の前で、打ち水をしている女性従業員に「この辺で恵川って店知りません?」と尋ねる。

「すると、その人が“あんた江本さんやないの!? うちの板前が、あんたのこと懐かしがってたわ”と言うではありませんか。聞けば、私が以前、贔屓にしていた料理人が、その小料理屋にいるという。彼はもともと北新地の料亭にいて、和食嫌いの私でも美味しく食べられる料理を作ってくれた。鴨料理やカツオのたたきなどが絶品なのです。ところが、ある日突然、料亭は閉店。料理人もぷっつりと連絡がつかなくなっていました。それが、たまたま道を聞いた従業員の店にいるというではありませんか。偶然の再会とはこのこと。その小料理屋の名が『大黒や』だったのです」

 前述のとおり、大黒やは恵川の姉妹店で店もすぐ裏手にあった。尾上は“旦那”の住宅メーカー会長からもらった三十数億円を、しばらく大黒やの3階にある箪笥の引き出しに現金のまま保管していたこともある。

 とまれ、この日を境に江本氏は大阪に行くたび大黒やを訪れるようになる。江本氏からすれば、板前の料理が目当てだった。

「恵川はちゃんとした料亭でしたが、大黒やは小料理屋。玄関を入るとカウンターがあって、20人も入ればいっぱいになるような店だった。料金も1人7千~8千円と安めでしたが、店に顔を出すと必ずといっていいほど、尾上のおばちゃんがやってきて私のテーブルについたんです」

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