投資額は2兆7700億円 江本孟紀が初めて明かす“女帝相場師・尾上縫”の素顔

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特別な客

 日本ドリーム観光とは、大阪の新歌舞伎座や横浜ドリームランドなどを経営していた老舗の興行会社。だが、当時、元暴力団組長で、株の仕手戦で巨額の金を動かした「コスモポリタン」の会長・池田保次氏に“食い物”にされており、経営陣の内紛も勃発していた。寺尾氏は立て直しのため、87年、日本ドリーム観光に乗り込む。

 大阪に常駐するようになった寺尾氏は、自分の友人・知人も連れて恵川に通った。江本氏のほか、勝新太郎、当時の大阪府警本部長や刑事部長もその中にいた。上客ばかりを紹介してくれる寺尾氏は、尾上にとって特別な客だったに違いない。当時、銀行から湯水のように金を引き出していた彼女は、寺尾氏に「新歌舞伎座を600億円で私に売ってほしい」と持ち掛けたこともある。

 江本氏が続ける。

「でも、実をいえば私は和食が嫌いだったんです。酒も飲まないし、寺尾さんに誘われただけなら、彼女の店に行くのは、その一回だけで終わっていたかもしれません」

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