新庄は17打数6安打、江川卓は突然の引退会見…日本シリーズを最後に引退した7人のスター選手

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シリーズ歴代最年長の本塁打記録

 もうひとりは、ヤクルトスワローズ~読売~阪神と渡り歩いた広澤克実。00年の阪神移籍以降は主に代打中心の起用だったが、03年の夏場にチームが不振に陥ると、先発出場の機会が増加。打率3割6厘、4本塁打、15打点の活躍をみせた。同時にチームが85年以来のリーグ優勝を果たしたことでこの年限りでの現役引退を決意。シリーズでは福岡ダイエー(現・福岡ソフトバンク)の前に3勝4敗で敗退し、惜しくもチームは日本一には届かなかった。このとき広澤は2つの記録を作っている。1つは5打席連続三振のシリーズタイ記録。そしてもう1つが第7戦9回表2死の場面でルーキー左腕の和田毅から左翼へ放った代打本塁打だ。この一打はシリーズ歴代最年長(当時、41歳6カ月)の本塁打記録であり、21年現在、阪神の選手がシリーズで打った最後のホームランでもあるのだ。

 最後は読売の名捕手・阿部慎之助だ。15年以降、一塁にコンバートされていたが、19年シーズンは監督に復帰した原辰徳と協議し、再び捕手に挑戦する。だがキャンプ中に度重なるケガに悩まされ、代打の切り札として開幕一軍入り。以後も代打や一塁でのスタメン起用となったことで、この年限りでの現役引退となった。

 その有終の美をリーグ優勝という形で飾ったが、シリーズでは福岡ソフトバンクの前になすすべなく4連敗を喫し、終戦。ただ全4試合に出場し(第1~3戦は5番・指名打者として先発)、初戦の第1打席で相手エースの千賀滉大から令和のシリーズ初本塁打・初得点となるソロホームランを放ったのが最後の輝きとなった。

 以上の7人を紹介したが、そのほかの主力選手では柴田勲(読売・81年)と初芝清(千葉ロッテ・05年)が日本一に輝き引退。優勝が叶わなかった選手では山本浩二(広島東洋・86年)がいる。余談ながら80年代以前にさかのぼれば69年の金田正一投手(読売)が日本一を花道に引退した。

上杉純也

デイリー新潮編集部

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