水球日本選手権、決勝ゴール無効をめぐりスイスで裁判へ 秀明大ク監督が怒りの提訴

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優勝後、結果が覆り……

 10月31日に行われた水球の日本選手権。秀明大学水球クラブとNSSUウォーターポロクラブとの女子決勝戦は、神業プレーで秀明大クの優勝となった。が、これが“疑惑の裁定”によって覆ることに……。渦中の秀明大ク監督が口を開いた。

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 最終ピリオド残り10秒で12-12の同点。クロスバーで跳ね返ったボールを、秀明大ク選手がキャッチし、残り1秒のところで投げると、終了を告げるブザー音が響く中、ボールはゴールへと吸い込まれていった。まさに“神業ゴール”で決着した決勝戦だが、YouTubeの秀明大学公式チャンネルにはその瞬間がアップロードされている一方、本来公開されるはずの日本水泳連盟チャンネルで、11月23日現在、この試合はアップロードされていない。

 水球史に残る幕切れとなったこの試合を巡る大騒動について、秀明大クの加藤英雄監督が振り返る。

「選手たちは表彰式で金メダルを首にかけ、記念撮影をし、会場を後にしました。それから私は家に帰って、犬の散歩をしていた。そのときです。水連の水球委員長から私の携帯に電話がかかってきたのは」

 加藤監督に告げられたのは、〈最終ゴールは無効〉で〈試合結果を“秀明大ク優勝”から“両チーム優勝”に変更する〉という旨だった。

 なぜ結果が覆ったのか。NSSU側の“最後のゴールは試合終了後”との抗議を受け、日水連が録画を確認すると、たしかに残り10秒から約3秒間時計が止まっていた。そこでゴールを無効と認定。ただ、試合終了から時間が経過していたため、両チーム優勝としたという。

21年ぶりの“異常事態”

 納得がいかない秀明大クは、日水連を相手に、弁護士を通じて激しい応酬を繰り広げている。加藤監督は「水連の説明には納得のいかない点が多々あります」と言う。

「例えば、水連の回答書では試合終了時刻を“12時41分”としていますが、これは実際の時刻より遅い。抗議が、規則に定める“試合終了30分以内に”という制限時間をオーバーしていたので、時刻を改竄したのでは、との疑義が生じます」

 秀明大クは、公開質問状で数多の手続き上の不備を指摘しているが、議論はかみ合わず、ついにスイスにあるスポーツ仲裁裁判所(CAS)への提訴を宣言。日水連がCASの当事者になるのは、2000年、シドニー五輪代表に落選した千葉すず選手による提訴以来21年ぶりとなる。同裁判所に付託するには双方の合意が必要になるため、日水連に同意を求めているが、日水連はこの申し入れを拒否しているという。

 日水連に取材を申し入れたが期限内に回答は得られず。11月25日発売の「週刊新潮」で詳しく報じる。

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