『家政婦のミタ』から10年、本田望結が語る、フィギュアスケーターと俳優の二刀流を続ける理由

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最初のコーチは父

『家政婦のミタ』で名前を広く知られるようになった本田は、テレビなどへの露出も増えていった。「あの頃を超えることは今後ないかもしれない」と話すほど、バラエティ番組を中心に一日に何本もの番組の収録をする過密なスケジュールをこなしていた。それでも、フィギュアスケートを辞めるという選択肢はまったくなかったという。

「フィギュアは、兄や姉の練習を見に行ったときにコーチから『見ているだけじゃ寒いでしょ? 望結ちゃんもやってみる?』と言われて、リンクに入ったことが最初でした。実は、兄から勧められて父もすでにフィギュアを始めていました。ですから、私の最初のコーチは父なんです。大学生に混じって試合にも出て優勝したぐらい、本格的に取り組んでいたんですよ(笑)。リンクでは兄や姉以外にも高橋大輔さんや織田信成さんが練習していたので、皆さんの技術の高い演技を見ては『望結もしたい!』と張り切っていました。でも、もちろんすぐにはジャンプもステップもできるわけではありません。悔しくて、うまくなりたい一心で練習に取り組みました」

毎日持ち歩いたスケート靴

 本田は『家政婦のミタ』の翌年には、BSフジの子供向け番組『モジーズ&YOU』に出演。ほかにも様々なドラマをこなしながら、2017年にはテレビ朝日のドラマ『探偵少女アリサの事件簿』で初主演を、2017年からは関西テレビのスポーツバラエティ『こやぶるSPORTS』(現『こやぶるSPORTS超』)では2017年から4年間、現在もアシスタントMCを務めている。

 映画では2015年9月公開の『ポプラの秋』(大森研一監督/上海国際映画祭、モントリオール国際映画祭正式招待)で父親を亡くした繊細な心を持つ少女を好演。同年12月公開の『母と暮せば』(山田洋次監督/アカデミー賞・外国語映画賞部門日本代表作品、日本アカデミー賞優秀作品賞)ではその演技力で高い評価を得た。16年9月に公開されたスティーヴン・スピルバーグ監督作品の『BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』では、主人公ソフィの吹き替えで声優にも初挑戦している。

 一方、フィギュアでは2013年、9歳のときに全日本フィギュアスケートノービス選手権大会ノービスB(9歳以上11歳以下)女子で8位という成績を修めた。翌年は近畿ブロックを2位で通過、全日本では25位に、15年には近畿ブロックのノービスA(11歳以上13歳以下)女子で4位通過、全日本では11位に、16年には近畿ブロックで3位となり、4年連続で全日本に出場している。16年の全日本では、自己最高位となる6位で初入賞を果たした。

「『家政婦のミタ』に出演していたころは、練習したいけれど、なかなか時間が取れない日が続き、少しでも時間が空いたら近くのリンクで練習ができるよう、毎日スケート靴を持ち歩いていました。フィギュアのために小学校を転校した後は、リンクを借りて早朝4、5時から学校や仕事に行くまで、仕事や学校から戻ってからは夜も練習をしていました。リンクに乗れないときのために、父が自宅のガレージをトレーニングルームに改築してくれて、小学校高学年のころには、兄がお願いしていたトレーナーさんに私もケアをしてもらうことになりました。このトレーナーさんは朝も夜も練習に付き合ってくれて、今でも陸上でのトレーニングはもちろん、仕事含め様々なことを相談しています」

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