オリビア・ニュートン=ジョン、なぜ今叙勲? 原則70歳以上というナゾの慣例が原因

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原則70歳以上の年齢制限

「叙勲の受章者は、原則70歳以上という年齢制限が一因だと思いますね」

 と指摘するのは、国の栄典に関する有識者会合のメンバーでもある関東学院大学教授の君塚直隆氏だ。

「年齢制限があるのは世界でも日本くらいで、明確な理由もなく慣例で続けているだけなので、私は国の会合で何度も“止めた方がいい”と進言していますが理解を得られません。決してオリビアさんたちが悪いわけではないのですが、日本で叙勲といえば高齢者のための制度のような印象を与え、全世代からの関心を集められないのです」

 英国を例にとれば、ビートルズのジョン・レノンは25歳で、あのデビッド・ベッカムも28歳と現役時代に叙勲を受けたという。

「本来なら日本政府は大谷翔平選手や嵐などを叙勲してもいい。芸能人やスポーツ選手は20代で功績を残すことが多いですから、活躍した旬の時期に受章させれば叙勲への注目も高まります。日本と比べて海外では叙勲が文化として世間に定着し、全世代の憧れになっていますから」(同)

 前例踏襲の“お役所仕事”と批判される所以(ゆえん)である。

週刊新潮 2021年11月18日号掲載

ワイド特集「栄光は誰のために」より

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