山口壯環境相、今度は「温泉ホテル接待」で利益供与 公選法違反を示す“疑惑の請求書”

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温泉付きのホテル、宴会は飲み放題

週刊新潮」は2021年10月28日号で、山口壯(つよし)環境相(67)の勉強会の会場費をめぐる“闇献金”と、公設秘書の給与をピンハネしていた疑惑を報じた。今回さらに、有権者への利益供与を行っていた疑いが噴出している。

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 問題となっているのは、山口大臣が19年11月に開催した宿泊付きセミナー。選挙区である兵庫県内のホテルで開かれたこの会について、事情を知る関係者は次のように語る。

「当日は『山口つよし政治アカデミー』と銘打たれ、土日にわたり1泊2日で開かれました。参加者は50名強で、ほとんどが選挙区内の有権者でした。初日は13時から16時まで、マスコミ幹部やゲストの国会議員の講演がありました」

 その後、参加者はホテルの宴会場に集い、懐石料理のコースを楽しんだという。瓶ビールや焼酎、ワインなどが飲み放題。2次会もホテル内の別の部屋で開かれた。こちらも缶ビールやウイスキーなどが用意された飲み放題だった。

「山口さんは二階派に所属するので、二階事務所がかつて記念に作った『新しい波』という梅酒まで振る舞われたわ」(参加者)

 ホテルには準天然温泉の大浴場も完備しており、朝食も付いていたという。

参加費はたったの1万円、差額は事務所が補填

 至れり尽くせりの催しだが、参加費はたったの1万円――。これには、ある“カラクリ”があった。

「参加費の収入が52名分で52万円、かたや支出は約103万円なので、その差額を事務所が補填している形になっているのです」

 と証言するのは、後援会関係者。

「そもそも、このホテルは土日に泊まるプランだと1泊2食付きで1万4千円程度かかり、さらに飲み放題を付けると2千円上積みされます。参加費1万円だと事務所側は有権者を安い価格でこのセミナーに招いたことになり、利益供与ということになるのです」

 有権者への利益供与が公職選挙法で禁じられているのは言うまでもない。

 週刊新潮は、ホテル側から山口大臣が支部長を務める自民党の政党支部に対して送られた3枚の請求書をそれぞれ入手。正規料金が書かれた請求書の明細と比べると、他2枚はかかった費用103万2100円の“総額”は変えず、内訳の飲食代や宿泊代などの値段を下げて、会議室料などに転嫁している形跡が確認できた。

「特に飲食代は公選法上、有権者への提供が厳しく制限されています。そこで、それらが参加費の1万円を超えないようにホテル側に用意させたというわけです」

山口事務所の回答は

 公選法に詳しい神戸学院大の上脇博之教授は、

「政治セミナーを口実にして選挙区の有権者に利益供与をしており、公職選挙法違反の疑いがあります」

 と指摘。そこで山口事務所に聞くと、

「事務所担当者がホテルと話をして、1人1泊2食付き1万円でお願いし、会費を1万円としました。参加者52名からの会費分を事業収入として収支報告書に計上しています」

 と答えるが、正規の請求書にはその1万円を超える金額が示されているわけである。問題の本質を理解していない様子なのだ。

 さらには2次会の酒代数万円も事務所が持ち出しており、こちらでも利益供与の疑いが。11月18日発売の「週刊新潮」では、オカルトに傾倒する山口大臣がこのセミナーで見せた“奇行“とともに報じる。

週刊新潮 2021年11月25日号掲載

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