スマホ解約金0円は本当におトク? 格安プランへの移行者は約1割という現実

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お得なプランへの移行者は1割程度

 そもそも今回の廃止表明は3社の意思でなく、総務省の意向が背景にあると指摘するのは、元NTTグループ役員で『スマホ料金はなぜ高いのか』の著者である山田明氏。

「菅前政権時代に総務省は大手3社の寡占を崩し、競争を促すことで携帯料金を下げる政策に舵を切った。楽天の携帯電話事業への参入はその一環であり、今回の解約金廃止もその流れの延長線上にあります。そんな“お上”の圧に晒され、大手3社も割安なプランを設けるようになりましたが、新たに契約し直さないと、その恩恵には与(あずか)れないことを忘れている人は多い」

 日本では契約者全体の9割近くはいまだ高い料金プランのままで、お得なプランへの移行者は1割程度に過ぎないというのだ。

「理由は、安いプランはネット経由での申し込みが前提となっていることが多く、年齢が上がるほどにそれが契約の妨げとなっている。このように大手3社が巧妙に仕掛けた乗り換え防止策はまだ残されている」(同)

 解約金廃止はユーザーを取り囲む“高い壁”を切り崩す一歩に過ぎなかった。

週刊新潮 2021年11月11日号掲載

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