「なにわ男子」デビュー 7人のメンバーの横顔、結成の経緯、それぞれの活動について

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10代のメンバーが3人以上

 11月12日、ジャニーズ事務所から7人組の新グループ・なにわ男子がCDデビューを果たす。『ジャニーズは努力が9割』(新潮新書)の著書がある霜田明寛氏は、このデビューがジャニーズの原点回帰でありながら、新しい潮流を汲んだものでもあると言う。新グループを紹介しつつ、近年のアイドル文化について分析する(文中敬称略)。

 なにわ男子がCDデビューを果たす。2011年以降、7組のジャニーズアイドルがデビューしているが、デビュー発表時にグループに10代のメンバーが3人以上いるのはSexyZone以来10年ぶりのことだ。

 昨年2組同時デビューしたSixTONESとSnow Manのメンバーの多くは20代半ば以降のメンバー。ジャニーズJr.として10年以上の経験を積んだ者も多くいて、経験を積み重ねた結果、デビューを勝ち取ったという印象だった。実力派といった形容もされていた。

 個人的な話で恐縮だが、私は『ジャニーズは努力が9割』というタイトルの著書を出した直後に、努力が結実した2グループのデビュー発表がされ、タイトルの正しさを証明してくれたように感じ、安堵した。

 しかし、そのような書名にしておいてなんだが、本当にアイドルに必要なのは経験だけなのだろうか? フレッシュな魅力や未熟さが愛でられることの多かった日本のアイドル界において、“実力派のアイドル”というのは語義矛盾ではないのか、それとも新しい時代の到来なのか……!?

 新しいグループ・なにわ男子の成り立ちと魅力を解説しながら、考えてみたい。

中継はファンの殺到により中止になるほど

 なにわ男子のプロデューサーを務めるのは、関ジャニ∞の大倉忠義だ。

「チャンスを逃すとやばいなっていうのがあって、ここでいかないとっていうのがあった。やっぱり年齢的にも旬っぽさを感じるので」と大倉は、なにわ男子のデビューに際して語っている。(*1)

 人に“旬”という言葉を使うことに違和感を覚える人もいるかもしれないが、自身も18歳でデビューしている大倉にとって、これが実感なのだろう。アイドルには旬のタイミングがある――。

 なにわ男子は、2018年10月に結成された。メンバーは全員、関西ジャニーズJr.から選出されている。大西流星(おおにし・りゅうせい)、道枝駿佑(みちえだ・しゅんすけ)、高橋恭平(たかはし・きょうへい)、長尾謙杜(ながお・けんと)、西畑大吾(にしはた・だいご)、藤原丈一郎(ふじわら・じょういちろう)、大橋和也(おおはし・かずや)の面々だ。

 当時現役高校生だった4名と、Jr.としての経験も長い20代前半の3名による7名のグループで、7人中4人は2000年代生まれ。V6ほど明確に分かれているわけではないが、年上組と年下組がいるグループだと考えるとわかりやすいかもしれない。

 結成直後から“瞬間の輝き”が爆発していた。世間もそれに呼応するように、結成翌年の2019年には、なにわ男子のツアーは当選倍率70倍以上という人気爆発の状態となった。同年8月に大阪・あべのハルカスから行うはずだった日本テレビ系「24時間テレビ」の中継は、ファンの殺到により中止になるほどだった。

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