「JR九州」子会社の裁判で暴かれた「報奨金」という名のリベート 住宅建設1戸につき40万円

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「お金に困っている」

 優越的地位にある業者が取引先に強要する「リベート」は、公然の秘密とはいえ、表沙汰になることは滅多にない。だが、「JR九州住宅」が地元福岡の「エステート・ワン」なる不動産会社を相手に起こした裁判では、あからさまに「渡した」「貰ってない」が争われていた。

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「JR九州」の子会社であるJR九州住宅が、エステート・ワンに請負代金1000万円を請求する裁判を起こしたのは、2019年初めのこと。

 エステート・ワンの新原(にいはら)健造社長によると、その発端となったのは、福岡県内で計画した低層集合住宅の建設だった。

 施工はJR九州OBの同社顧問から勧められたJR九州住宅に依頼したが、合意成立後、すかさず顧問が「報奨金」を要求してきたという。その額は低層集合住宅1戸につき40万円。発注は51戸にのぼるため、総額で2000万円超である。

「あまりに法外だったので、きっぱり断りました。すると顧問は、報奨金の半分は松尾さん(JR九州住宅の当時の社長の松尾純一氏)へのリベートだと言い出した。“うちが元請けで発注者。なのに、なぜリベートを渡す必要があるのか。あべこべだろ?”と訊くと、“リベートを渡さないと、新原社長が提示した条件で契約できません。松尾社長はいま、お金に困っている”との答えが返ってきました」

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