「茂木・新幹事長」の公選法違反「衆議院手帖」の無償提供を裏付ける証言・証拠と茂木氏の弁明(第1回)

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無償で手帖の提供を受け

「配布対象の選挙区内の有権者というのは各地域内にある『後援会』の幹部が主ですが、後援会費を払っていない人がかなり含まれており、彼らが無償で手帖の提供を受けていると認識しているのは間違いありません」(前出・事務所関係者)

 茂木事務所では「手帳(ママ)配布予定概要」(写真参照)と題されたリストを作成し、それを元にこれを配っているという。実際、後援会の面々に聞くと、

「(後援会費は)ないです。正月なんかには(茂木氏)本人が“これ作ったから使ってください”という感じで手帖をくれます。お蔭様で私は毎年もらっています」(後援会長Tさん)

「初めて国会議員になる時からのお付き合いです。後援会に会費はありません。茂木先生は話しやすくて、顔立ちが優しくって。この手帖ってなかなかないものだからね、大事にさせて頂いてます。選挙を手伝ってるから、そのお礼っていう感じで。お金なんてもらっちゃったら大変なことになっちゃうからね」(後援会連合会次長Kさん)

「後援会に入ってからは随分経つねぇ。会費は納めていない。手帖は年末、自宅まで秘書さんが持ってきてくれるんです。もう5年とか長いあいだね」(後援会幹事長Mさん)

「茂木先生はいつでも庶民の目線に立ってくれる議員さん。(後援会の)会費とかはありません。選挙の際も、何人かでお手伝いに行くだけです。手帖はありますね。幾冊ほどしかまわってはこないですけど。私のところは10冊もらって、みんなに分けるっていう形。今のところ毎年ですね」(後援会副会長Aさん)

以前にはカレンダーも配っていた

 彼らは一様に後援会費は支払っていないと言うし、中にはこんな証言も出て来たのである。

「実は以前にはカレンダーも配っていました。1枚に12カ月分を記載し、下に議員の名前・顔写真があるもので、秘書から各地域の責任者がまとめて受け取り、それを配って歩くという風にしていました。ただ、書き込む所もなくて使っていませんでした。でも、うちわで揉めた時期かな。テレビでやってたでしょ。あの時にカレンダー配るのは選挙違反だっていうことも持ち上がって、それでなくなったんじゃないですか」(後援会支部長Kさん)

 うちわで揉めた時期……。2014年10月、第2次安倍改造内閣で法相を務めていた松島みどり氏につきまとったうちわ問題がこれに当たる。彼女は1枚80円のうちわを2万強発注し、祭りで配っていた。公選法は選挙区内の有権者への財産上の利益の供与または交付を禁じていることから、松島氏への批判が渦巻いたのである。

「財産上の有価物かと言えば、配ってもそのまま捨てられる。だから寄附行為とは思っていない」

 などと述べ、松島氏は法律違反ではないと強弁し続けたものの、世間の白い眼はこの事案を確実に黒と捉え、それに抗し切れず万事休すとなった。1枚80円のうちわですら、クビが飛んだのだ。

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