市販薬と病院の薬、効果の違いは? 薬剤師が教えるドラッグストアの賢い使い方

ドクター新潮 医療

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病院と市販で同じ成分の薬は多い

 病院の薬は「高級」「高度」、市販薬は「低級」「低度」。そんな印象を持っている方も少なくないことでしょう。両者の違いは簡単で、前者は医師の処方箋が必要、後者は不要でドラッグストアや薬局で購入することができます。だから「市販薬は病院の薬の劣化版」という認識を持つ方もいますが、実際はそうではありません。

 病院と市販で同じ成分の薬も多いのです。例えば、風邪をひくと病院で処方される解熱鎮痛剤に「ロキソニン錠」がありますが、市販薬でも「ロキソニンS」があり、同じ製薬会社が製造していて、成分も量もまったく同じです。

 薬には、医療用医薬品、要指導医薬品、第1~3類医薬品がありますが、そのうち、医療用医薬品以外は市販薬として処方箋なしでも買うことができます。つまり、病院の薬と市販薬との成分の違いは、「効く」「効かない」のピラミッド型ではなく、グラデーションの違いのようなものなのです。

〈だから、軽度な症状であれば、病院を受診せずに、市販薬で対処できる。しかし、薬局には多くの薬が並んでおり、素人には良し悪しの判断がつかないことが多いのも事実だ。そのための水先案内人となるのが、久里氏のような薬剤師である。

 例えば、現在、新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種が急ピッチで進められているが、ワクチンの副反応による発熱や頭痛には、どの解熱鎮痛剤が適しているのだろうか。棚を見て回るだけでも、「バファリン」「イブ」「ロキソニン」「タイレノール」など、山のようにあるが……。〉

 市販されている解熱鎮痛剤には多くの種類がありますが、その成分は主にアスピリン、イブプロフェン、ロキソプロフェン、アセトアミノフェンの4種類です。まずこれを押さえておきましょう。

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