「藤岡弘、」からスカウト…レポーター「阿部祐二」が長年ついていた“小さなウソ”が発覚

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「いい男がいるな」と思って…

 Oさんは、現在も芸能界に身を置くこの道のベテランである。過去には中山美穂ほか、イエローキャブ時代にはかとうれいこや細川ふみえらのマネージャーを務めていた。

 そんなOさんの説明はこうだ――。当時、モデル専門の事務所に勤務していたOさんは、74年5月に建ったBIGBOXのオープン当初からの常連だった。「新しい施設ができていたので見に行ったら、そこでたまたま高校の先輩がトレーナーとして働いていて、勧誘されたんです」。以降、長くジムに通うようになった。

 BIGBOXは当時も今も西武グループの運営だ。78年に「クラウンスターライオンズ」が売却によって「西武ライオンズ」と名を変え、本拠地を埼玉県所沢市に移転した時期には、選手たちがジムで汗を流していたのを憶えているという。

 そんな折に見かけたのが、阿部青年だった。「たしかマシントレーニングをしていた彼に声をかけたんです」と語る時期こそはっきりしていないが、阿部の公式プロフィールから推察するに、80年前後の出来事だろう。高田馬場は早稲田大学のJRの最寄り駅だから、通学のついでに、阿部はジムに通っていたと思われる。

「当時、私はモデル事務所に勤めていて、外国人女性を専門に担当していました。しかし阿部さんを見かけ『いい男がいるな』と思って声をかけたんです。その場で話を聞くと、モデルをしているけれど、俳優業に興味があるという。雑誌の写真ページなどで、”引き立て役”としてモデルが呼ばれることがあったのでしょう、『俳優というだけで、自分より不細工な奴が目立っている。もうモデルはうんざり』と話していました。俳優は私の専門外なので、事務所の社長に相談したところ、俳優事務所を彼に紹介することになった。そこから先は知らないのですが、おそらく『特捜最前線』で共演していた二谷英明さんか、藤岡さんの事務所に入ったんじゃないかなあ。一緒に仕事をしたわけでもなく、会ったのは声をかけたとき一度きりなので、その辺は良く知らないんですが……」

 現在、阿部が所属しているのは「テンダープロ」という事務所。だが過去の資料を繙くと、連絡先として「三貴プロ」という名があることが確認できた(「週刊テレビ番組」84年3月10-16日号)。三貴プロは、藤岡弘、の個人事務所「株式会社SANKIワールドワイド」の前身のプロダクションだ。Oさんの推察は正しく、また、「藤岡にスカウトされて」という説明と近しい経緯は一応ある。ちなみにこの84年刊行の資料にも、

〈高田馬場のトレーニングセンターで俳優の藤岡弘にスカウトされて〉

 というプロフィールが記されているから、かなり早くから作られていた“ストーリー”のようだ。

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