クロスボウ規制強化で950丁を回収 兵庫では所持者の3分の2は回収に応じず

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法改正についての周知が進まず

 事実、兵庫県では昨年の事件を受け、条例で届け出を義務付けたところ、216丁の届け出があったが、前述のように今回、回収されたのは65丁。県では届け出のあった所有者に通知を送付したが、応じたのは3分の1に留まるわけだ。

 クロスボウはネットなどを通じて年千丁超が販売されていたとか。競技団体の日本ボウガン射撃協会も、こう言う。

「クロスボウ競技を始めたいと問い合わせをしてくる方で、許可制になることを知らない人もいます。法改正についてまだまだ周知されていないと感じます」

 クロスボウ所持に関する警察庁の有識者検討会委員を務めた、防犯問題に詳しい「ステップ総合研究所」の清永奈穂所長は、

「2009年の銃刀法改正でダガーナイフが禁止された際、回収本数の約7割が駆け込みでした。各県警とも告知には努力されているでしょうが、『回収終了まであと10カ月』『あと9カ月』とカウントダウンして期限も知らせるような方法もひとつの案かと思います」

 コトは治安に関わるのだ。

週刊新潮 2021年10月28日号掲載

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