裁判官が生んだ沖縄「嘉手納基地爆音訴訟」の血税争奪戦 「賠償金ビジネス」に乗り出す弁護士
次も参加できる
嘉手納基地の周辺住民2万2034人が夜間、早朝の飛行差し止めと騒音被害の損害賠償を求めた嘉手納基地爆音訴訟。2019年9月11日、福岡高裁那覇支部で「3次」訴訟の控訴審判決が言い渡された。飛行差し止めは退けられたものの、国が支払いを命じられた賠償金は過去最高の計約261億円。その裏で、「血税」の争奪戦が繰り広げられている。
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「1次」訴訟が起こされたのは1982年。2000年に「2次」、11年に「3次」が提訴されている。当初から、被告である国は、“危険への接近論”を主張。騒音を知りながらその地域に転入した者には賠償は認めるべきではないという理屈だ。
94年、「1次」訴訟の一審判決は、住民768人に対して総額8億円あまりを支払うよう国に命じるものだった。98年、住民867人に13億円超を支払う控訴審判決が確定。騒音被害を承知していたはずの「引っ越し組」も賠償金を手に入れられる見通しとなった。
なお、騒音区域に暮らしている限り、被害は続く。賠償金を勝ち取った住民も次の訴訟に再び原告として参加することができる。
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