岸田・自民党はご祝儀相場も消えて日々失速中 議席予測257→244→239に危機感

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 史上最短のスピード決戦となる総選挙が事実上スタートした。就任したばかりの岸田文雄首相は「未来選択選挙」と位置づけ、自らの求心力上昇と政権基盤強化を狙う。4年ぶりの政治決戦で野党共闘はどこまで効果を発揮するのか。10月19日の告示を間近に控え、その行方を探った。

「この総選挙で国民の信任をいただければ、数十兆円規模の総合的かつ大胆な経済対策を最優先でお届けする」。岸田氏は首相就任11日目の10月14日、衆院解散後の記者会見でこう力説した。マスコミ各社の世論調査では歴史的な低支持率での船出となったが、菅義偉政権末期には「与党過半数割れ」もあり得ると悲観されていただけに、新政権発足の「ご祝儀相場」で党勢が持ち直したとの自負があるのだろう。

メディアの予測を繙くと

 では、メディアによる最新の予測はどうなっているのか。まずは、10月12日発売の「サンデー毎日」』(10月24日号)の「10.31総選挙 看板倒れ岸田 自民19減」。選挙プランナーによる党派別獲得議席予測を掲載し、自民党は小選挙区191、比例区66の計257議席という分析を紹介している。自民党は前回衆院選で218の選挙区での勝利をつかんだが、今回は19人が涙を飲むとの予測だ。3議席増の公明党(32議席)を足せば、与党は計289議席で絶対安定多数(261)を上回る。

 10月14日発売の「週刊文春」(10月21日号)は、「自民、想定外! 289全選挙区予測」と題した12ページの特集記事を掲載。選挙区別の情勢分析や党派別の獲得議席をシミュレーションしている。その「党派別獲得議席予測」を見ると、自民党は選挙区で171(現有議席210)、比例区で73(同66)の計244(同276)を獲得。32議席減らすものの、わずかに単独で過半数(233)を上回る。公明党の選挙区8(同8)、比例区25(同21)の計33(同29)を加えれば、全465議席のうち277議席を確保するとしている。

 野党は立憲民主党が選挙区で競合していた共産党との候補者調整を進め、日本維新の会を除いた野党系の一本化は210超の選挙区で決着した。しかし、野党共闘の効果は限定的と見られ、立憲は選挙区で81(同48)、比例区は34(同62)の計115(同110)。共産は比例区で5議席増やすものの、計17(同12)と予測されている。

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