セリフ、歌唱を抑えた「オズの魔法使い」が上演 「セリフは半分、ダンスやパントマイムを中心に」

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歌唱も減らして

 原作に登場する架空の都市「エメラルドシティ」に向かう場面にも工夫を凝らした。

「水布(みずぬの)(舞台に敷いて池や沼などの水面を表す布のこと)を用いたり、人形を使ったりなど、あの手この手の視覚的表現を駆使しています。流す曲も新しいものを14曲作りました。うち歌うのは1曲だけです」

 なるほど、セリフばかりか歌唱も減らしているのだ。

 ところで、亡き熊倉氏も「声」で出演するそう。

「15年以上前に熊倉さんがオズ大魔王役で出演したオーディオドラマCDの音源を利用し、声で出演してもらう形となりました」

 エコーは昨年、創立70周年記念公演を予定していたが、中止・延期に。本拠とする東京・渋谷区恵比寿駅近くのエコー劇場での公演は19年12月以来、じつに約2年ぶりとなる。

 ダンスの稽古は昨年11月に始まり、ワークショップも半年かけて行うなど、いつも以上に入念に準備してきたという。

「出演者、スタッフらは抗原検査をするなど、感染対策は万全です。原作の『オズ』ではドロシーたちがなぜ一緒に行くのか、理由がはっきりと描かれていませんでした。今回は“ワンチームになる”という言葉をキーワードに、仲間が協力し合う『桃太郎』『青い鳥』『西遊記』『指輪物語』などのエピソードを追加。斬新な解釈による新しい『オズの魔法使い』になると自負しています」

週刊新潮 2021年10月14日号掲載

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