オリックスと広島が筆頭…ドラフトで“本当の即戦力”を獲得したと言える球団名

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 ルーキーの活躍が目立つ今年のペナントレース。中でも、阪神は佐藤輝明、伊藤将司、中野拓夢が大活躍を見せており、彼らの存在がなければ、優勝争いに加わることも難しかった。Bクラスに沈む広島もまた、栗林良吏と森浦大輔の活躍がなければ、チームはもっと苦しい状況となっていただろう。今月11日に行われたドラフト会議では、支配下、育成を合わせて128人の選手が指名されたが、結局、来年からすぐに戦力化できる選手をより多く獲得できたのは、果たして、どの球団なのだろうか。全選手の顔ぶれを見ながら、探ってみたい。

ルーキートリオが穴を埋めるか

 1年目から一軍の戦力となる可能性が最も高いのは、大学生と社会人の投手だ。4球団が競合した隅田知一郎(西日本工大)を引き当て、2位でも隅田と並ぶ大学生左腕の佐藤隼輔(筑波大)を指名した西武がやはり目立つ。

 しかし、来年の戦力という意味では、それ以上にプラスが大きいように見えるのがオリックス、ロッテ、広島の3球団だ。オリックスは、1位で大学生の右投手でナンバーワンの呼び声が高かった、椋木蓮(東北福祉大)の単独指名に成功した。2位以下は野手が続いたが、6位と7位で横山楓(セガサミー)と小木田敦也(TDK)をそれぞれ指名。

 3人とも150キロ前後を安定して、投げられるストレートの速さがある。椋木と小木田は制球力の高さが光り、横山は好調時にホップするようなストレートが魅力だ。オリックスの投手陣を見ると、先発は山本由伸、宮城大弥の二枚看板を筆頭に安定している一方で、リリーフ陣は抑えの平野佳寿を筆頭に比嘉幹貴や能見篤史といった大ベテランへの依存度が高くなっている。椋木や横山、小木田のルーキートリオが、その穴を埋める活躍を見せることも期待できるだろう。

いきなり一軍の戦力にも

 続いて広島。黒原拓未(関西学院大)や森翔平(三菱重工West)、松本竜也(Honda鈴鹿)と、大学生1人、社会人2人の投手を指名した。黒原は173cmと上背はないものの、躍動感が溢れるフォームから投げ込むストレートは、常時145キロを超え、チェンジアップやカットボールなどの変化球も年々レベルアップしている。短いイニングであれば、いきなり一軍の戦力になる可能性は高い。

 森は先発タイプのサウスポー。昨年まではスピードはあってもリズムが単調でとらえられることが多かったが、社会人2年目の今年はしっかり試合を作れるようになった。プロで貯金を作るには、もう少し球威か制球力を上げる必要性が出てきそうだが、1年目からローテーション争いに加わる可能性も十分にある。

 松本は高い制球力が魅力の右腕で、コーナーいっぱいに投げ分けるコントロールは社会人で上位クラス。鋭く横に滑るカットボールも面白い。スピードは、黒原や森より落ちるものの、数字以上に勢いが感じられる。今年はリリーフでの登板が多いが、先発の経験があるため、どちらでも力を発揮できそうだ。

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