「原続投」報道がフライング認定 球団内から上がる「原全権監督」のやりたい放題への異論とブーイング

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記事の内容は決して間違ってはいない

 巨人の来季監督人事が揺れ動いて定まらない。今季で3年契約の最終年を迎えている原辰徳監督の去就について10日、日刊スポーツは球団側が来季も続投する方向で調整していると報道。他の複数メディアも「原続投」が基本線として掲載のタイミングを見計らっていた中、出し抜く形で“スクープ”を掲載し、反響を呼んだ。しかし、この記事は、巨人から水面下で「NO」を突きつけられることになってしまったという。

 別のスポーツ紙記者の解説によると、

「記事の内容は決して間違ってはいない。原監督の来季続投は、ほぼ確実な流れ。何よりも日刊スポーツには、原監督と旧知の間柄で『球界のフィクサー』ともささやかれるベテラン敏腕記者がいる。続投濃厚の情報をつかんでいた他紙の担当記者たちも、『やられちゃったな』と口々に完敗を認めていたぐらいです」

 確かに同紙は2015年に原監督が退任する際にも他を出し抜いて、そのことを報じている。

 しかし、ソースも十分に揃っていたはずの記事に対し、予想に反して巨人が神経を尖らせることになったという。

「掲載当日の10日、この記事が“フライング”だとして球団側の逆鱗に触れ、日刊スポーツの巨人担当記者は短期間ながら出入り禁止を通達されたそうです。『球団内のパワーバランスが徐々に崩れかけているんじゃないのか?』という見方も出ていますね」

阿部慎之助二軍監督を配置転換した意図

 原監督は現在、チームの編成権も掌握した全権監督として巨人軍に君臨している。この記者の解説を煎じつめると、《日刊スポーツの記事は原監督が書かせた。“続投”は的を射た報道だったが、球団内に全権監督のやりたい放題に異を唱える勢力が出てきており、そのマグマが溜まっている》ということになるだろうか。

 ここで、10月に入ってからの全権監督の動きを振り返っておこう。

 5日から巨人は原監督の発案の下、阿部慎之助二軍監督を一軍作戦コーチに配置転換。シーズン終盤に首脳陣の入れ替えを行う超異例人事を断行した。ポスト原の最有力候補と目される阿部コーチの一軍登用は奇跡の逆転リーグV、そしてCS(クライマックスシリーズ)で勝ち抜くための秘策としてだけでなく、次期指揮官としての帝王学を原監督の傍で継承させることが狙いとみられた。

 つまり、この人事は「原監督続投、阿部新ヘッドコーチ」の来季内閣改造を見据えた布石であろうというのが大方の見解だった。

 だが、バツが悪いことに配置転換当日の5日・ヤクルト戦(神宮)から巨人は大失速。12日の阪神戦(東京ドーム)まで7連敗を喫し、首位ヤクルトに10.5ゲーム差と引き離された今、逆転リーグVの望みは潰えた。

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