【独自】トップシェア「サクラ印ハチミツ」に基準値超えの発がん性疑惑農薬 役員らは隠蔽

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「回収はハッキリ言ってしたくない」

 国内トップシェアの「サクラ印ハチミツ」に、基準値を超える除草剤成分「グリホサート」が混入していることが週刊新潮の取材で分かった。しかも、メーカーの加藤美蜂園本舗がその実態を把握しながら“隠蔽”していたことも明らかに。“隠蔽”会議の音声データを入手した。

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 問題の会議が行われたのは今年2月2日。音声データからは、加藤美蜂園本舗の取締役営業本部長の次の言葉が確認できる。

〈社長、取締役営業本部長、グリホサート混入しながらまだやってる。検査結果を使い回しにしている〉

〈私は回収はハッキリ言ってしたくないというのが現状です。(中略)食品衛生法からいったらアウトです〉

「グリホサート」とは、世界中で広く使用されている除草剤の主成分だ。2015年には国際がん研究機関(IARC)が「ヒトに対しておそらく発がん性がある」とし、危険度を示す5段階評価で2番目に高い「グループ2A」に分類。そうしたことから世界中で規制強化の動きが広がっている要注意成分である。

基準値超えのハチミツがスーパーに……

 食品衛生法で定められたグリホサートの残留基準値は0.01ppm。これに対し、週刊新潮が都内の大手スーパー数店舗で購入した「加藤美蜂園本舗」製のハチミツ5本のうち、「サクラ印ハチミツ」を含む3本から基準値超えの結果がでた。そのうち1本は、なんと基準値の5倍との分析結果となった。検査を行った「農民連食品分析センター」の八田純人所長が言う。

「基準値超えのハチミツを摂取してすぐに身体に害が出るわけではありませんが、基準値を超えているものを摂取したくない人も当然います。実態が消費者にきちんと伝わっていないのは問題だと思います」

 音声には〈社内の人しか知らないこと〉ともある。事実、この分析結果について同社は一切公表していない。「グリホサート残留基準値超え」の商品が、今でも堂々と売られているのだ。

 取材に対し加藤美蜂園本舗からは、

〈昨今、厚生労働省において、はちみつ中のグリホサートの基準値を0.05ppmとすることについてパブリックコメントを募集したとの情報に接しております〉

 と、基準値を見直す動きがあるから問題ないとばかりの回答が返ってきた。

 会議の音声は、現在、デイリー新潮にて公開中。10月7日発売の週刊新潮では、具体的な商品名を挙げた分析結果と併せ、加藤美蜂園本舗が抱える「お家騒動」と併せて報じる。

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