1億総「おひとりさま」時代に必要な“広く浅い”交遊関係 終活より大切なものとは

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広く浅い人間関係

 誰にも迷惑をかけないで死ぬんだと意気込んでみたところで、周りとの縁を絶ってしまうと、例えば倒れて病院に運ばれて親戚が駆け付けても、本人の意思が確認できないから面会できない。あるいは亡くなった後に通帳の場所が分からず財産処理に手こずったり、結果的に周囲に迷惑をかけることが多い。本人は誰にも負担をかけたくないと遠慮しているつもりかもしれませんが、その遠慮が迷惑になることがあるんです。

 おひとりさまは気楽ではあるものの、完全に孤立しては誰も生きられません。そして人間は、人間のことが好きだけれど、一番怖いのも人間関係だったりします。どっぷり浸(つ)かる人間関係は煩(わずら)わしい。だからこそ依存し合わないで付き合える友人、寂しい時に気軽に会える知人、そういった「広く浅い」人間関係を築くことが、おひとりさまにとって重要になってくると思います。そこで私が提唱しているのは、孤立無援ではなく「個立有縁」です。それは「個立有援」でもあります。

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