世界初「空飛ぶバイク」が仮面ライダーに登場 開発企業社長が語る“未来予想図”

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 ついにSFの世界の現実化が近いことを期待させてくれる日が来た――。9月5日からテレビ朝日系でスタートしている「仮面ライダーリバイス」では、本物の空飛ぶバイク(通称、「XTURISMO」)が登場する。もちろん仮面ライダーシリーズでは、初の試みである。この世界初の空飛ぶバイクを開発したのは、最先端のエアモビリティ開発を行っている株式会社A.L.I.Technologies(東京)である。代表取締役社長の片野大輔氏(36)に話を聞いた。

――映画「スター・ウォーズ」の世界が現実のものになるとは驚きです。早速ですが、一般にはいつ頃販売されるのでしょうか。

 現在のモデルの「XTURISMO」の納車開始は、2022年初め頃を考えています。このモデルは私有地での利用を想定していますが、数年以内にはより小型化して電気のみで動く、一般道を走れるモデルを開発したいです。2025年頃になれば、次世代型の電池が開発されているだろうと見越してのことです。

――気になるお値段の方はどれくらいになるのでしょうか。

「XTURISMO」は、高級スポーツカー並みの金額にはなると思います。でも、将来発売する小型化したモデルは、一般の方でも手の届くような金額にはする予定です。

――般の方が買える金額になったとして、活用される場面としてはどのようなところを想定されていますでしょうか。

 都市部は道路インフラが整備されているので、あえて空飛ぶバイクを使う必要はないと考えています。地方の限界集落や離島など、道路が整備されていない場所では、食料調達が困難な時とかで大いに活躍してくれると思います。また、山の中などでの災害救助にも活用できます。趣味の利用だけでなく、実益を兼ね備えた乗り物にしたいです。

――都市部の上空を飛ぶとなると、事故が起きた場合、危険なのではないかと思うのですが、空の交通ルールは、どのようにして決まるのでしょうか。

 空のルールはドローンのルールを参考に決まっていくと考えています。ドローンがぶつからないようにするためにはどんなルールが必要かなどをデータとして蓄積していっています。

――自動車の普通免許があれば乗れるのでしょうか。それとも、新たな免許が必要になるのでしょうか。

 現在のモデルは、免許不要ですが将来的には免許制になっていくと思います。現在、国と協議をはじめております。ドローンに関しても、これから免許制になりますよ。操作技術的には、バイクの運転とドローンの操作の両方が求められると思います。

――空飛ぶバイクが実用化されることで、どんな未来予想図を描かれていますか。

 空飛ぶバイクは世界初なので、この分野は日本から始まったのだと世界に打ち出したいです。かつて、日本の成長を支えたのは製造業です。あの時代が再来してくれたらいいなと考えています。また、ITのエンジニアがかっこいいと思われているように、「下町ロケット」のような製造業のエンジニアもかっこいいと思われるようになればいいですね。

村嶋章紀/フリーライター

デイリー新潮取材班編集

2021年9月30日掲載

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