【総裁選】決選投票を完全予測 河野太郎、頼みの綱は「議員心理」と「ラスト演説」

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 自民党総裁選挙は終盤戦に入った。河野ワクチン担当相は党員票で優勢だが、では実際に何票取れるのか。決選投票で勝利するカギは何か。そして岸田前政調会長、高市前総務相が逆転する可能性はどのくらいあるのか。不確定要素もまだ多いが、各陣営への現状取材を踏まえて新総裁誕生へのシナリオを具体的に予測する。

国会議員票382票 「隠れ河野」の広がりは

 国会議員票の争奪戦は熾烈な争いとなっている。野田氏が推薦人20人から伸び悩んでおり、残りのおよそ360票を3氏で奪い合う形となっている。河野・岸田・高市の3氏は拮抗しつつも、岸田氏が若干リードしている模様だ。

 ただ、ある河野側近議員は、「表向きは岸田さんや高市さんを支持している議員の中には『派閥の締め付けには辟易としている。本番では河野さんに投票したい』と言う議員が複数いる」と明かす。こうしたいわば「隠れ河野」は、若手だけでなく中堅議員にも存在している。実際に何人ぐらいが河野氏に投票するのかが焦点だ。

 一方で、河野氏のリベラル寄りの政策やこれまでのベテラン議員との軋轢から「河野氏が総理総裁になったら、自民党は分裂の可能性も孕んだ混乱に陥る」という危機感も根強い。こうした危機感は、直近に選挙がある衆議院よりも、10か月後に選挙を控えた参議院議員に強く、安定感のある岸田氏が支持を集める要因となっている。

自民党員票382票 河野氏は過半数を制するか

 党員票での河野氏のリードは、各報道機関の党員調査などからも間違いない。しかし得票は多くても全体の50%程度、190票前後ではないかと予測される。河野氏支持を公言している菅首相が周辺に「6割は取りたい」と話すなど、河野陣営はできるだけ多くの党員票を集めて国会議員にプレッシャーを掛けたいが、現状ではそこまでは難しい。

 その場合、残りの190票程度を岸田氏90票、高市氏80票、野田氏20票程度で分け合うと見られている。ただ高市氏の人気は上り調子で予測が難しい。高市陣営は「候補者討論を見て、高市さんが一番いいという声がかなり出ている」と自信を見せている。岸田氏は議員の働き掛けによる業界団体などの組織票を固める。

 1回目の投票で決着をつけるためには、過半数383票以上の得票が必要だ。このシミュレーションでは河野氏は70票以上積み増さなければならない。国会議員票が30票以上多く出たとしても、党員票で全体の60%を超える230票以上が必要となる。そのため河野陣営の中でも「決選投票は避けられない」との声が大きくなっている。

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