事件現場清掃人は見た 孤独死した人の部屋に漂う死臭で死因を推測できる

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高血圧症

「ベッドの横の壁には、真っ赤な血しぶきがついていました。そして枕も血がべっとり付着していたので、高血圧症だとわかりました。鼻の奥にある動脈が切れたのだと思われます」

 実は、高江洲氏自身も高血圧症だという。

「私も鼻の奥の動脈が切れたことがあります。亡くなった男性は、いきなり鼻から血が噴き出たのでびっくりしたのでしょう。あわててティッシュで血を拭ったようですが、そのうち意識が薄れていったと思われます。ただし、死因は、出血はたいした量ではないので、失血死ではありませんでした」

 では、本当の死因は?

「出血して、そのまま意識を失ったことで、鼻や喉に固まった血液が詰まったのでしょう。窒息死ですね。後から遺族にも確認しました。こういうケースで亡くなる方はけっこういると知り合いの医者から聞いたことがあります」

 内蔵疾患のある人は、普段から“臭う”という。

「電車に乗っていると、時々事故現場を思い出すことがあります。胃がんなど内臓にがんのある人は、息が脂の腐った臭いがするからです。特殊清掃をやっているせいで、自然と口臭に敏感になったようです」

デイリー新潮取材班

2021年9月17日掲載

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