ヤクルト「9・13の悲劇」 何がどう転がれば良かったのか? 9回表を「たられば」で振り返る

スポーツ 野球 2021年9月15日掲載

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マルティネスの豪速球から始まっていた

 13日、バンテリンドームで行われたヤクルト・中日戦。9回表1死1、2塁からのプレーへの判定が物議を醸し、その後に中日・与田剛監督の「リクエスト」、ヤクルト・高津臣吾監督の抗議、場内への審判団の説明……とスリリングな展開を見せた。何がどう転がれば良かったのか? 9回表のヤクルトの攻撃について、別の球団の担当記者に「たられば」で振り返ってもらった。

 虎の子の1点を守るべく、中日はマウンドに守護神のマルティネスを送り込んだ。ヤクルトの先頭打者、中村は粘って9球目をライト前に運ぶ。代走・渡邊が送られ、打席にはサンタナ。1塁走者、渡邊は2度の牽制をかいくぐって2盗に成功。サンタナも四球を選ぶ。サンタナの代走に古賀が送られた。これでノーアウト1・2塁。

 続く西浦は当然バントを試みるも、マルティネスの豪速球に1球目を空振り。

「いかにも失敗しそうな感じがしましたね。力でねじ伏せてバントで送らせないぞという意地のようなものが出ていました」

 と、記者A。2球目はバットに当てたものの浮いたボールを野手は難なく処理し、3塁フォースアウト。1死1・2塁となって迎えるのがヤクルトにとっては代打の神様・川端。

「川端は代打でここまで17打点と驚異的な数字を残していて、正直バントがうまく行っていれば最低でも1点入れて同点に追いつくことができたんじゃないかなぁと思います」(同)

打者・川端の足の速さと打球のスピード

 川端は1球目から振っていき、高く弾んだボールは2塁手の目の前へ。当然、走者はそれぞれ2塁、3塁へ向かう。2塁手は捕球した地点へ近づいてきた1塁走者・西浦にタッチしようとしたが、西浦が逆走し始めたため1塁へ送球。その間のタイムロスもあって川端は1塁セーフ。

 そこで1塁手はすぐに2塁へ送球。走者・西浦は1塁に戻ることはできないので、2塁手がベースを踏めばフォースアウトで2アウトになるはずだった。

「でも2塁手の京田はそこでベースを踏まなかったんですよね。走者・西浦が1塁に戻ろうとしたので、本能的に挟殺プレーに進んだのかもしれません。一方の走者・西浦は川端がアウトになったと勘違いして2塁を目指そうとした可能性はあります」
と、記者B。

「川端の打球の勢いは死んでいたけど、ボテボテとまでは行かなかったところが運命の分かれ目だったかもしれません。逆に鋭い打球だったら2塁手の京田が取って2塁→1塁とボールが渡ってダブルプレーでゲームセットだったし、もっとボテボテなら別のシナリオになっていた。川端は俊足とは言い難い選手で、あの打球ならアウトになっていてもおかしくはないと思われたことが、ヤクルトに災いしたというと大げさでしょうか」

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