石破茂氏は出馬するのか 河野氏を支援し要職に返り咲く可能性も

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 総裁選を巡る情勢が混迷を極めるなか、河野太郎氏(58)と並ぶキーマンといえば、圧倒的な党員人気を誇る石破茂氏(64)だろう。しかし、5度目となる総裁選出馬について本人は明言を避けてきた。

 政治部記者が振り返る。

「昨年の総裁選に敗れて以降、石破氏は“次は自分から出たいとは言えない”と繰り返していた。確かに、菅総理が退陣を表明する前から出馬への期待は高まっていたが、自派閥の水月会は石破氏を含めても17人の小所帯。それだけでは立候補に必要な20人の推薦人を確保できない状況です」

 しかも、ヒトだけでなく、カネも心許ないようである。

 実は、政局真っ只中の今月上旬に水月会の事務所は移転している。引っ越し先はこれまでと同じく永田町内のマンションなのだが、旧事務所の家賃が30万円ほどだったところ、新たな物件は約10万円と3分の1に。築43年で広さがわずか22平方メートルとくれば、派閥の事務所よりも新入社員の住まいといった趣きである。

 水月会の担当者によると、

「以前の事務所の家賃が更新で値上がりするため、もっと安いところで十分だろう、と。以前は派閥役員が10人いましたが、いまは4人体制なので打ち合わせも議員会館の会議室で済んでしまう。利用状況に合わせたスリム化ということです」

 事務所移転がスリム化か、先細りかはともかく、石破氏が総裁選に出るか、出ないかは大きな決断になる。

 先の記者が続ける。

「石破氏は今月1日、いまも参院竹下派に強い影響力を持つ青木幹雄・元自民党参院会長を訪ねています。2016年の参院選に青木氏の長男・一彦氏が出馬した際、全面支援して当選に導いたのが石破氏。青木氏も感謝していたので、参院竹下派は石破氏を推すと思われた。しかし、面会時に石破氏は“今回は迷惑をかけません”と伝えたようなのです。石破氏を支援する二階派の武田良太総務相は、もう一度、青木氏に会うよう説得したものの、石破氏の腰は重い。それどころか、出馬を断念して河野氏の支援に回り、党の要職に返り咲くことも検討している。ただ、この機を逃せば水月会の空中分解は必至。総理への道のりがさらに遠ざかる危険性がある」

 反主流派を貫いてきた石破氏には、勝ち馬に乗って再起を図るより、5度目の正直を目指してほしいが。

週刊新潮 2021年9月16日号掲載

特集「一寸先は『総裁選』の闇 『河野太郎』変人伝説」より

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