侍ジャパン「稲葉監督の次」は既定路線だったが…スンナリ決まらない理由とは?

スポーツ 野球

2021年09月10日

  • ブックマーク

「緒方孝市監督」報道が出て

 東京五輪で悲願の金メダルを獲得した侍ジャパン。大会が終了して1カ月近くが経とうとしている現在、関係者の関心の的となっているのは、采配を振るった稲葉篤紀監督(49)の去就だ。後継の最右翼はある人物でほぼ固まっていたが、スンナリと決まらない理由があるのだという。

 東京五輪限りで、契約満了による勇退が既定路線だった稲葉監督。決勝戦終了直後から、後任として読売巨人軍の原辰徳監督(63)や元日本代表キャプテンの宮本慎也氏(50)などが次々と“候補”としてあがり、後任人事は五輪のサイドストーリーとして盛り上がりを見せていた。

 ところが、決勝戦の2日後、スポーツ報知が元広島カープの緒方孝市氏(52)を有力候補と報じて以来、後任人事の報道合戦は示し合わせたかのようにピタッと止んでしまったのである。

 その背景について、侍ジャパンの関係者はこう解説する。

「実は、侍ジャパンの次期指揮官は、東京五輪前から元巨人軍監督の高橋由伸氏(46)が最右翼だったんです。関係者が観測気球として、いくつかの夕刊紙やスポーツ紙に“次期監督は由伸に”という記事を書かせたこともありました」

 ところが、この観測気球には図らずもNGの声があがってしまった。由伸氏は2016年から18年の3シーズンで巨人軍の監督を務めたものの、一度のリーグ優勝も成し得なかった。

 戦力の面で同情する向きもいないわけではないが、采配の能力には疑問が残るところ。そんな由伸氏に対し、ネット上で“巨人の監督すら失敗した人物に日本代表の監督が務まるわけがない”というコメントが相次ぎ、炎上状態となってしまったのだ。

その話はしばらく封印して

 侍ジャパンの関係者が続ける。

「ネット上の炎上は、由伸氏本人もショックだったよう。水面下では『前向き』とささやかれていたはずの由伸氏ですが、先行報道によって事が公になると一転して次期監督就任の話を『根も葉もない話』と否定するようになってしまった」

 先に触れたように、由伸氏を評論家として抱えるスポーツ報知が突然、元広島の緒方孝市氏を後任候補として報じたのは、ちょうどその頃だった。

「この報道は緒方氏にとっても寝耳に水だったらしく、スポーツ報知は、由伸監督報道の炎上を鎮火するため、当て馬として緒方氏の名前を報じたのではと勘繰る向きもありました。読売グループとしても巨人軍生え抜きで将来的に監督再登板が見込まれる由伸氏が侍ジャパンの監督となるのは願ったり叶ったり。時期尚早な報道合戦で由伸監督の芽が摘まれるのは堪ったものではありませんから、スポーツ報知の“緒方監督”報道は読売グループにとっても有利なものだったといえます」

 一方、“由伸監督”誕生を水面下で進めていた侍ジャパンの側も、こんな奇手に出た。

「主要メディアに対して非公式に、『稲葉ジャパンで金メダルを取った直後だから、次期監督報道でその余韻を冷まさないようにしてほしい。その話はしばらく封印してくれないか』と通達したらしい」

 稲葉監督は9月6日に愛知県あま市の瑞円寺にある故星野仙一氏の供養碑を訪れ、東京五輪の金メダル獲得を報告。金メダル獲得と侍ジャパンへ協力体制を整えてくれたことに対する感謝と挨拶を兼ねた行脚も12球団に対して行っているが、

「要するに、それが終了するまでは大人しくしてほしいと暗に伝えたということでしょう。ほとぼりが冷めた頃を見計らって、改めて『由伸ジャパンで』を推し進めたいというわけですね。それでここ1カ月、どこの社も侍ジャパンの次期監督候補に関する記事を書けなかったのです」

次ページ:栗山、工藤、秋山、ラミレス…

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]