「IR汚職」“無罪請負人”でも覆せず秋元被告に実刑判決 出馬に意欲示すも「当選見込みなし」

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対抗馬は強敵

 2004年の鈴木宗男・元北海道開発庁長官以来17年ぶりとなる、現職国会議員の収賄罪による実刑判決。それでも秋元被告は控訴し、来たる衆院選に東京15区から立候補すると宣言している。果たして勝ち目はあるのか。

「可能性は限りなく低いでしょう。対抗馬の柿沢未途・衆議院議員は、父親の代から受け継いだ強固な後援会を持っています。前回こそ初めて秋元氏が勝ちましたが、その前の2回は負けている。しかも今回、秋元氏は無所属での出馬となりますから、比例復活はない。自民党を離党しながらも二階派の特別会員になっている秋元被告ですが、もう二階さんの求心力も落ちているし党の支援は得られません。逆に、かねてから自民党入りを希望している無所属の柿沢氏が、今回勝った後、入党するのではないかと言われています」(政治部記者)

 元通産大臣で自民党東京都連最高顧問の深谷隆司氏は、「潔く出馬を断念するべきではないか」と諭す。

「香典問題を抱えていた菅原一秀君も、先日、議員辞職したばかりです。ここまで党にも迷惑をかけて、有権者に不信感を与えてしまった以上、一度潔く身を引くのが政治家の道だと思う。かつて線香を配って公選法違反が問われた小野寺五典君も、一度辞職してから返り咲いた。もし自分は間違っていない、政治家として続けたいという信念があるならば、若いんだし、まずは禊を済ませてからにすべきでしょう」

 だが、秋元被告を知る人物は「彼はそんなタマではない」と言い切る。

「地盤も持たず、出身大学も大東文化大学で名門ではない。自民党の衆議院議員だった小林興起氏の秘書をやりながら、パチンコ業界に食い込むことで議員にのし上がった男です。政治はカネがかかってなんぼ、この程度の話のどこが問題なんだという考え方なのです。彼がここまで追い込まれながらも出馬に意欲を示すことができるのも、彼を応援する取り巻きが残っているから。事件後、妻は離婚してハワイに移り住んだのですが、現地の家の購入費を出したのは証人買収の実行者だった。秘書から地方議員にまでことごとく嫌われていた河井克行被告との違いは、そこにあります」

 控訴や立候補するにしても、まずは辞職し、最低限のけじめだけはつけて欲しい。

デイリー新潮取材班

2021年9月7日掲載

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